男ひとり旅の美学

[旅の恥は書き捨て]ってことで。あと、BMWと読書感想文も。

北朝鮮と並んで東アジアの平和を脅かす一大要因、共産党専制独裁国家である中華人民共和国。しかしIMFへの加盟を果たし、2008年にはオリンピックが開催される。上海万国博覧会の先には、力強い発展による揺るぎない経済大国・軍事大国の地位を中国にもたらす。結局は民主主義の片鱗も受け付けないまま、中国は国際社会に受け入れられたのか?
しかし、これがアメリカの長期戦略であること、すなわち中国の解体を目的としたものであり、確実にその方向に向かうであろうことが明快に記されます。(詳しくは本書で。)

それにしても日本"国"がすでに死に体であり、政府部門の積極的な民営化が必要であること、個人は世界をフィールドに生きるべき、等、大前研一先生の主張に通じるところがあります。井の中の蛙たちを"外"から俯瞰したら、やはりこのように見えるのでしょうね。

本書の収穫は他にもありますが、自らのアイデンティティを守りながらグローバルな自分を育む、すなわち自分自身を持つことを意識して上を目指したいと思います。
(人に言えない目標ってありますよね。)

今がどん底 這い上がるしかないじゃないか
著者:落合信彦、青春出版社、2003年4月発行
2006年4月10日読了

イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、アラブ諸国、中国、韓国で日本に関する事項がどう報道され、それがどう影響を及ぼすのか?

イラク戦争の事例。われわれ日本人は「自衛隊をイラクへ派遣はしたが、それでもアメリカとは違う」と思いがちだ。だが小泉首相とブッシュ大統領がクロフォード牧場で握手して微笑む写真がワシントンポストとニューヨークタイムズにデカデカと掲載されたことで、「日本とアメリカは一蓮托生」だと世界は認識した。無論、テロリスト側も。その帰結が外交官二名の殺害であった。

ノー・モア・ヒロシマの事例。イスラエルと対立を続けるアラブ世界では、ヒロシマ・ナガサキの意味をこうとらえている。「二度と過ちを繰り返しません」とは「二度と核攻撃を受けないよう、われわれは力を蓄えなければならない。そうだ、核武装しなければならない」
1998年に核実験に成功したパキスタン。当時のシャリフ首相はこう言った。
「ヒロシマとナガサキに起こったことは、日本が核兵器を保有していれば回避できたのだ」「だから(パキスタンの)核武装は当然の選択だ」
インド=パキスタンが一戦交えたカルギル紛争でもNPOと学生団体が「ヒロシマ精神による平和」を訴えたが、同じように受け取られたのだろう。

結局、われわれ自身が積極的に「正しい情報」を提供しないと、思わぬ方向へ話が進むんですね。

日本はどう報じられているか
著者:石澤靖治、池内恵、土生修一、他、講談社、2004年1月発行
2006年4月9日読了

マスコミ報道によれば「そろそろ景気が回復してきた」そうだが実感が沸かない。実はその正体は、加熱する中国特需によるものであり、日本が自主的に獲得したことではない。それでは、これまでの「デフレ」とは何だったのか……?
その答はグローバル経済の浸透による価格の正常化であり、世界的にまだまだ「バカ高い」日本の物価は、さらに下落することが明らかにされます。
いまや「年収600万円以下の下層中流世帯と下層世帯」が日本国民の80%に達するが、それでも世界的には十分な富裕層と言える。では何故、余裕が感じられないのか? それは、ありあまる公務員とごく少数の一次産業従事者、既得利権者を優遇する政治体制から脱却できないためであり、現在の経済システムがサラリーマン世帯の多大な犠牲の上に成立しているためである……。

日本経済は"不景気"などではなく、長期的な衰退に入っていること、すぐにヒト、モノ、カネを世界中から受け入れる準備をしないと「犯罪が蔓延し、老人ばかりが無気力に生きる2025年の没落した日本」が訪れることが明言されます。

本書の真骨頂は税制改革の抜本的変更の提言です。
現行のフロー課税からストック課税に変更しないと、近い将来に日本そのものが破綻し、以降、永遠に立ち直れないことが何度も何度も説明されます。
個人金融資産も雲散霧消し、最貧国に没落する悪夢……。

わずか1,600円です。買って読みましょう!

ロウアーミドルの衝撃
著者:大前研一、講談社、2006年1月発行
2006年4月8日読了

侵略者に対して勇敢に戦う、または果敢に抵抗するのではなく、あくまでも家族を護ると言う観点が新鮮でした。トム・クルーズも良い味を出しているし。

でも、ラストはありきたりの免疫オチでした。興ざめ。
それに、何か物足りないなぁ……そうか! ヒロインがいないんだな。
(10歳の娘さんではヒロインとは言えないでしょう。)

かつての勢いを無くしつつあるトニー・ブレア英国首相ですが、従来の社会主義の「良い部分」と自由経済の長所を生かそうとする政治手腕は評価できるものと言えます。1980年代のサッチャリズム、レーガノミクスに代表されるニュー・ライト、すなわち新保守主義路線からの脱却を説いた本書が、イギリス労働党に与えた影響が大きいとされています。

不平等の是正、すなわち資本主義をどう統御するかについては様々な議論が行われていますが、結局は野放しの自由経済は「弱肉強食」でしかなく、それが1990年代の経済危機(南米、ロシア、東アジア)を招いたこと、国別・地域別の貧富の差がますます拡大することは明白です。
本書では、資本主義の利点を生かしつつ、人間的に作り替えることが社会民主主義の目標の一つであり、魅力であることが明らかにされます。
第二次世界大戦終結後の政治の主流となった社会民主主義=高度福祉社会体制も、石油ショックを経て新自由主義に取って代わられます。冷戦の終結が社会主義を過去のものとしたこともあり、社会民主主義を立て直す議論が欧州で行われてきました。本書はその集大成とも言えます。

日本にも二大政党政治が根付くと期待されていますが、強者=自民党の政策を部分的に借用・改変し、あたかも自分たちの政策であるように振る舞う民主党=小自民党ではあまり期待できそうにありません。投票率の低下も納得できるというものです。
小沢さん、鳩山さんには耐えられないかもしれませんが、社会民主主義の考えを取り入れた政策を前面に押し出してはいかがでしょうか? 小泉さんに幻滅したサラリーマン世帯の支持率を確保できるかもしれません。

The Third Way : The Renewal of Social Democracy
第三の道 効率と公正の新たな同盟
著者:アンソニー・ギデンス、日本経済新聞社、1999年10月発行
2006年4月1日読了

兵庫県の明石更新センター。前回の日曜と異なり、平日だけあって比較的空いていた。
システムも改善されたようだ。
例の悪評高い「兵庫県交通安全協会」への勧誘が事実上、無くなったぞ!
「安全協会入会申し込み窓口」なる場所が新たに設けられ、免許更新申請窓口では「良かったら安全協会への加入をお願いします」と言われて薄いパンフレットを渡されただけ。
5年前は半ば強引とも言える「入るべきです!」の口調だったのに。
やはりマスコミで叩かれた影響は大きいな!
(交通安全の役に立てると言いつつ、そ割合は支払額の4割未満。実際には更新センター職員の人件費と、県警天下り職員の飲み食いに費やされていたそうな。加入を拒む更新者には嫌がらせが行われたとも報道されていた。毎日放送"報道特集"さんのおかげですね!)

それにしても優良ドライバーへの講習は……。交通事故防止のためのビデオ閲覧、道路交通法規の大きな変更点が解説されるなど、前回の「ただ掲示物を見て回って終わり」よりは改善されたのは良しとしよう。講師の方は自己満足のひとり語りではなく、もっとわかりやすく話をするべきです。
僕は同じ早口人間としてよく理解できたが、大勢を占める女性、特におばちゃんにはわかりにくかったことでしょう。
まぁ、これで5年間は安泰です。

再放送(第2回目)を見た。
現代では想像もつかない、戦前の庶民の悲惨な暮らしぶりが描写され、見るのが辛かった。
でっかい夢を抱き、人生のすべてを賭けて渡ったはずのブラジルでは、プランテーション農園主に好きなように搾取される生活が待っていた。早朝5時から18時まで働き詰め、唯一の"ボッタクリ"小売店(これも農園主が経営)でのクレジット消費が、収入を上回る現実。騙されたとわかったときには帰国の目処も立たず、絶望に打ちひしがれた生活を続けるしかない。辛い労働と膨れあがる借金。それでも「日本にいるよりもまし」だったとは……。
日本に残された女の子も「おしん」がまだ幸せに見えるくらいの悲惨な生活を強いられます。目を背けたくなるくらい。結局、預けられた家の"人格"がすべてなんだな。
現在の"飽食の"生活に不満を言ってはイケナイのですね。

戦後、地主が没落し、小作農家は土地を与えられ、生活レベルを大幅に上げた。太平洋戦争でアメリカに負けたことは国としては屈辱だけど、庶民にとっては良かったのだと、この視点からは言えそうです。

橋田壽賀子さんて80歳なんですね。それでも次々に沸き上がる素晴らしい作品の数々。スゴイ人もいるものです。

祖母が入院していた、そして最期の夜を過ごした兵庫県の吉川病院では、外国人従業員の多いことに驚いた。車椅子に乗るもまだ元気の残っていた祖母を見舞うとき、そこで働く東南アジア系の女性を幾人も見かけた。看護に付くのではなく、食事の準備と配膳が主な仕事のようだった。いまでもそうだろう。
ハッキリ言って下働き。
顔つきからして出身地はフィリピンだろうか? インドネシアだろうか? 一時的な出稼ぎではあるのだろうけれど、その待遇は? 地位は? 社会保障は? 手厚く報われているとは思えないなぁ。
史上例を見ないほどに贅沢になった21世紀ニッポン。3K職に就く日本人は少なく、代わりに需要を満たすのは外国人である。冷徹な現実ではあるが、後ろめたい気持ちもある。

さてさてさて、本書では「となりの外国人」にスポットを当てつつ、現代日本の抱える様々な「外国人」問題が取り上げられます。
少子高齢化する日本と移民受け入れ問題、日本のフィールドで活躍する外国人スポーツ選手とタレント、外資系企業の経営者、世界中から非難を浴びても開き直った難民政策、合法的な、そしてイリーガルな外国人労働者、等々。
英字新聞編集部の筆によるだけに、抑えられた記述とされていますが、その内容は怒りすら憶える深刻なものでした。
たとえば、中小企業を救うべく政・官・財トライアングルの思惑が一致して制度化された「外国人技能研修制度」ですが、その実態は「文句を言わない安価な労働者の提供手段」でしかなく、実際に酷たらしく搾取される"研修生"の実態が静かに、しかし熱く暴かれています。
「彼らは研修生であり、労働者に非ず!」との法の建前から、タダ同然でいくらでも働かせる中国人、インドネシア人。パスポートも取り上げられ、所定の給料の8割も「必要経費」としてピンハネされ、日本人の嫌がる残業を押しつけられて! これでは反日感情が高まるのも無理ありませんネ。

ヘンな国、困った国ニッポン ドキュメント外国人
編著者:デイリー・ヨミウリ、中公新書クラレ、2002年10月発行
2006年3月22日読了

戦後例を見ないほど強力・強大となった会社に対し、弱体化したサラリーマンは失業率5%を意識しつつ、ただ黙々と働き続ける……。
過酷な会社社会と、それでも生き延びようとするサラリーマンの姿を描き、ますます蔓延する社内イジメ、パワハラ、うつ病、リストラ解雇への処方箋が示されます。
さまざまな事例のうち、銀行出身の役員や外資系コンサルタント会社の好きなようにされ、最後は破綻した大手老舗食品商社の実例が印象に残りました。
経営トップのあり方ひとつで会社は簡単に沈むこと、そして個人は、常に最悪の事態を想定しておく必要があると言うことですね。

「まだまだ自分の職場は恵まれているなぁ。いちおう大企業だし」と思いつつ、いつ何時零落するかわからない不安感は払拭できません。

最後に「時間=命」という当たり前のことを再認識させてくれたことは、本書の最大の収穫でした。

サラリーマン残酷物語 起業か、転職か、居残るか
著者:風樹茂、中公新書クラレ、2004年7月発行
2006年3月18日読了

やりたいと思ったらすぐに実行する(後悔することを避ける)、人生のバランスシート(死ぬときは貯蓄0円)、身軽さが一番(家は買わない)等、いろいろと示唆を与えてくれる本書ですが、特に印象に残ったのは次の2点の人生訓です。
・四つの責任を自覚するべし
 自分に対する責任、家族に対する責任、社会に対する責任、日本国に対する責任
 (あとは好き勝手にすれば良い。)
・いつ死んでも良いような人生を送るべし。
 死の瞬間に後悔の念の生起しないような生き方をする。

しかしこの先生、肉体派だったとは知りませんでした。
(自衛官や防大生を相手の腕相撲勝負で、負けたのは一度だけらしい。)

やりたいことは全部やれ!
著者:大前研一、講談社、2001年12月発行
2006年3月17日読了

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