男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

愛用のSONY U10の調子がおかしい。
電源スイッチを入れると、一瞬だけパワーLEDが点灯して消える。下側斜め45度から強く叩くと直るんだが。友人の結婚式の最中にも、何回か叩いて直した。危ないなぁ。それでも愛用しているのは、やはり小さいこと。掌にすっぽりと収まるのは、気持ちの良いもんです。
でも、100万画素・単焦点レンズだけあって旅行には不向きですね。風景写真も小さい、小さい。人物画もパッとしないし。
そろそろ、買い換え時期かなぁ?

迷いを断ち切ったのは、友人の嫁さんの一言でした。何気なくテーブル上に出したところ、「うわ! 懐かしい~~(=あんた、古いで!)」と言われて……。これまでは「かわいい」「小さい」「いいねぇ」だったのに……。

と言うわけで、デジカメを探しました。この夏に予定している旅行に携行することを前提に、候補は次の4点。

SONY DSC-T9 黒 
 コンパクトなのが良いです。さりげなくスーツの胸ポケットから取り出すかっこよさ!(僕じゃ無理か。)
Panasonic LUMIX DMC-FX01-K
 AYUの手ブラ、いや、手ぶれ防止のヤツです。広角28mmはいいかも。F2.8か、暗いところで使いやすいかも。
Panasonic LUMIX DMC-TZ1-A
 10倍望遠は魅力だなぁ!(別に悪いことには使いませんヨ。)
Richo Caplio R4 
 広角28mmで、7.1倍ズームは魅力ですね。

僕は写真の素人なので、高級機種はいらないのです。要は「撮れたら良い」んです。
ここで思い出したのは、ヴィーンやブダペストでの苦い思い出です。
歴史的建造物を写真に収めようにも、フレームに収まらなかったことが、何度もありました「広角レンズがあればなぁ」

と言うわけで、2CCD・23mm広角レンズ・光学3倍ズームのスペックを有するKODAK V570に決めました。(あれっ、リストにないぞ。よくある話です。)
さっそく、通販で購入手続きをしました。楽天様々ですね。
レポートは、また後ほど。

1990年初頭より散発的な戦闘が行われ、1999年のカルギル紛争でピークを迎えるカシミール紛争。2006年現在も解決の目処が立たないまま、隣り合う核保有国、インドとパキスタンが領有を主張してやまない地域の、まだ比較的平和な時代の旅物語。

仏教に帰依したアショカ王に始まり、その後の為政者がヒンドゥー王朝、ムガール王朝、シーク王国、1846年以降のジャンムー・カシミール藩王国=英国間接統治へと変遷した豊かな歴史と、その産物でもある多様な文化・手工業産物が紹介されます。
現地の人々の息づかいまで伝わるような紀行文と、大判かつ豊富な写真が、旅を共有した気分にさせてくれます。

それにしても、由々しきはカシミール問題。これは、1947年のインド、パキスタンの分裂しての独立にさかのぼる、英国帝国主義の無責任な置き土産です。現地の人が独立を望もうと、パキスタンへの帰属を望もうと、インドが許すはずもなく、ゲリラ化した住人とインド軍との小競り合いが続いてきました。さらにはアルカイーダ系列のムジャヒディンが多数、この地域に雪崩れ込んだことにより、事態はいっそう複雑になっています。

アフリカ・スーダンのダルフールといい、ナイジェリアのビアフラ(古い!)問題といい、パレスチナ問題といい、旧宗主国の勝手な政策が現地人の生活を滅茶苦茶にし、命までをも奪う現実。世はグローバリゼーションと言えども、100年前の帝国主義の残滓は、いまもいたるところで火を噴いています。

ロマンチック・インディア カシミール
著者:茂市久美子、藤田弘基、ぎょうせい・1988年5月発行
2006年5月15日読了

「南北問題」なる概念は、植民地体制の崩れた戦後になって先進国、特に西側にとっての新しい経済体制を構築する中で提唱された。経済発展を競り合う西側と東側、援助されるように見えながら、その実、置き去りにされた第三世界。非人道的なIMF、OPECとNIESの登場による「南南問題」の発展、と問題が多岐に渡って提起されます。

アフリカ諸国の貧困からの脱却、これは解決不可能なように思えます。一次産品に依存する産業構造は変わることは無い。「より弱い」立場の国民を抑圧する非民主的な国家元首とその政府官僚。時の為政者にとって、獲得した権力を手放すことはありえないし、その政権と結託した多国籍企業は、ひたすら利潤を目指すのみ。見て見ぬふりをする似非人権主義者(自己満足の権化!)の存在……。

南側の諸国では、いまでも「国民国家」より「民族・部族」の紐帯が強いように思えます。
そもそも、西欧式の国民国家を無理に維持する必要性はどこにあるのか? 特に旧宗主国の残した幾何学的な国境(無理な線引き!)を維持するために人命が失われ、モノカルチャー経済から抜け出すのにも困難な現実を顧みると、思い切って数カ国・地域による連邦制を目指すべきではないのか?
すぐには無理でも、国家間統合へと進む世界の趨勢を考えると、決して無理な話ではないはず。

南北・南南問題
著者:室井義雄、山川出版社・1997年7月発行
2006年5月3日読了

政治・経済が表面だけの改革に終わり、前例と慣例に従う官僚主導のまま、世界の動きから取り残された日本。財政赤字だけでなく貿易収支も赤字となり、さらに全企業収益も赤字に陥る2017年の日本。資源・食料危機に翻弄され、円安を背景に一人当たりGDPがシンガポールや台湾に劣る「中進国」となった日本を舞台に、産業情報大臣となった織田氏の大改革が進められようとしていた……。

1980年代に代表される「過去の日本の栄光」を知る者(僕もそうです)にとっては実に辛い「没落街道まっしぐらの日本」と、その流れを変えようとする「新世代起業家兼政治家」の奮闘する姿が、好意的に描かれます。

「職縁社会が崩壊しても血縁社会や地域コミュニティが生まれるでもない。二十一世紀の日本人はみな、孤独なんだ……」

「国の重要な選択が、国民の選挙で決まると考える官僚はいない。官僚の発想では、選挙の結果はせいぜい、行財政がやり易いかやり難いかの違いだけである」

主人公の高級官僚・木下課長をはじめ、登場人物のほとんどが戦国武将、特に織田信長とその家臣のパロディとなっており、ニヤリとさせられる場面もあったりします。
15年以上前に読んだ「黄金の日々」よりも面白かったです。

平成三十年(上) 何もしなかった日本
著者:堺屋太一、朝日新聞社、2002年7月発行
2006年4月23日読了

平成三十年(下) 天下分け目の「改革合戦」
著者:堺屋太一、朝日新聞社、2002年7月発行
2006年4月29日読了

時代と場所を縦横に巡り、戦争を正当化する権威と進歩的理論、ローマ時代の「良心的兵役拒否」にはじまる平和を追求する人々の希求が、あくまでも学術的に記述される。

自民族中心主義が限度を超えると、戦争に雪崩れ込んでゆく。時代ごとにそれを克服する努力がなされ、幾多の人柱が犠牲になってきた。

国と国、もっと言えば人と人の交渉こそが重要であり、ここ数十年の国連にしても、主体はあくまでも国家と地域であり、あくまでも国連は「場所」にすぎないことを、つい忘れがちになる。

戦争犯罪に対する考えも変遷し、第二次世界大戦までは正当な戦争行為とされてきたことも、昨今では人道に対する罪、「戦争を始めた罪」として国際刑事裁判の対象とされるようになりつつある。(抵抗する某自由主義大国の姿がみっともなく映る。)

で、平和の条件とは何か?
資本主義社会の実現では不十分。民主化を達成しても十分ではなく、ナショナリズムの克服こそが重要である。当たり前のようだが、本書を読んで再認識した。

岩波講座 世界歴史25巻
戦争と平和 未来へのメッセージ
著者:油井大三郎、最上敏樹、長崎暢子、大久保桂子、他
岩波書店、1997年12月発行、2006年4月19日読了

2012年頃の東京と仙台を舞台に、特殊能力を手にした兄と、その弟の物語が展開します。
冒頭から期待させてくれるのですが、何かを成し遂げようとする半ばで物語は終わります。
目に見えない絆、受け継がれた「何か」、流れに抗う"意思"が本作品の主題なんでしょうか?

現代日本の閉塞感と庶民の諦観、小さな希望が現れた奇跡への、何も考えない大衆の"ベクトル"の恐さ。永遠に変わることのない「日本人の習性」が見事に描かれています。

「消灯ですよー」 第一部のラストでも効果的に使用される、この何気ない言葉が印象に残りました。

魔王
著者:伊坂幸太郎、講談社、2005年10月発行
2006年4月12日読了

4月10日からNHKで新しいアニメが始まった。
宮中料理人を目指す"少女チャングムの夢"物語だそうな。
http://www3.nhk.or.jp/anime/yume/

韓国で視聴率50%を記録したお化け番組「宮廷女官チャングムの誓い」の姉妹番組で、韓国MBCの製作だそうですが……。う~ん。あの顔は完全に子供向け番組。抵抗感あるなぁ。
それにしても若殿様とその護衛(従卒?)は凛々しいですな。女性視聴者狙いが"見え見え"ですが、お約束なんでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%BB%B7%E5%A5%B3%E5%AE%98%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A0%E3%81%AE%E8%AA%93%E3%81%84

名探偵ポワロとマープルはそこそこ面白かったけれど、その後はヘタレ番組ばかりでした。(不思議の海のナディア、みたいなヒット作はもう生まれないのかな?)
ヨーロッパでもなく中国でもなく李氏朝鮮を取り上げた本作。その大胆な試みが功を奏し、注目されるかな? "反日"韓国メディアはどう報道するかな?

北朝鮮と並んで東アジアの平和を脅かす一大要因、共産党専制独裁国家である中華人民共和国。しかしIMFへの加盟を果たし、2008年にはオリンピックが開催される。上海万国博覧会の先には、力強い発展による揺るぎない経済大国・軍事大国の地位を中国にもたらす。結局は民主主義の片鱗も受け付けないまま、中国は国際社会に受け入れられたのか?
しかし、これがアメリカの長期戦略であること、すなわち中国の解体を目的としたものであり、確実にその方向に向かうであろうことが明快に記されます。(詳しくは本書で。)

それにしても日本"国"がすでに死に体であり、政府部門の積極的な民営化が必要であること、個人は世界をフィールドに生きるべき、等、大前研一先生の主張に通じるところがあります。井の中の蛙たちを"外"から俯瞰したら、やはりこのように見えるのでしょうね。

本書の収穫は他にもありますが、自らのアイデンティティを守りながらグローバルな自分を育む、すなわち自分自身を持つことを意識して上を目指したいと思います。
(人に言えない目標ってありますよね。)

今がどん底 這い上がるしかないじゃないか
著者:落合信彦、青春出版社、2003年4月発行
2006年4月10日読了

イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、アラブ諸国、中国、韓国で日本に関する事項がどう報道され、それがどう影響を及ぼすのか?

イラク戦争の事例。われわれ日本人は「自衛隊をイラクへ派遣はしたが、それでもアメリカとは違う」と思いがちだ。だが小泉首相とブッシュ大統領がクロフォード牧場で握手して微笑む写真がワシントンポストとニューヨークタイムズにデカデカと掲載されたことで、「日本とアメリカは一蓮托生」だと世界は認識した。無論、テロリスト側も。その帰結が外交官二名の殺害であった。

ノー・モア・ヒロシマの事例。イスラエルと対立を続けるアラブ世界では、ヒロシマ・ナガサキの意味をこうとらえている。「二度と過ちを繰り返しません」とは「二度と核攻撃を受けないよう、われわれは力を蓄えなければならない。そうだ、核武装しなければならない」
1998年に核実験に成功したパキスタン。当時のシャリフ首相はこう言った。
「ヒロシマとナガサキに起こったことは、日本が核兵器を保有していれば回避できたのだ」「だから(パキスタンの)核武装は当然の選択だ」
インド=パキスタンが一戦交えたカルギル紛争でもNPOと学生団体が「ヒロシマ精神による平和」を訴えたが、同じように受け取られたのだろう。

結局、われわれ自身が積極的に「正しい情報」を提供しないと、思わぬ方向へ話が進むんですね。

日本はどう報じられているか
著者:石澤靖治、池内恵、土生修一、他、講談社、2004年1月発行
2006年4月9日読了

マスコミ報道によれば「そろそろ景気が回復してきた」そうだが実感が沸かない。実はその正体は、加熱する中国特需によるものであり、日本が自主的に獲得したことではない。それでは、これまでの「デフレ」とは何だったのか……?
その答はグローバル経済の浸透による価格の正常化であり、世界的にまだまだ「バカ高い」日本の物価は、さらに下落することが明らかにされます。
いまや「年収600万円以下の下層中流世帯と下層世帯」が日本国民の80%に達するが、それでも世界的には十分な富裕層と言える。では何故、余裕が感じられないのか? それは、ありあまる公務員とごく少数の一次産業従事者、既得利権者を優遇する政治体制から脱却できないためであり、現在の経済システムがサラリーマン世帯の多大な犠牲の上に成立しているためである……。

日本経済は"不景気"などではなく、長期的な衰退に入っていること、すぐにヒト、モノ、カネを世界中から受け入れる準備をしないと「犯罪が蔓延し、老人ばかりが無気力に生きる2025年の没落した日本」が訪れることが明言されます。

本書の真骨頂は税制改革の抜本的変更の提言です。
現行のフロー課税からストック課税に変更しないと、近い将来に日本そのものが破綻し、以降、永遠に立ち直れないことが何度も何度も説明されます。
個人金融資産も雲散霧消し、最貧国に没落する悪夢……。

わずか1,600円です。買って読みましょう!

ロウアーミドルの衝撃
著者:大前研一、講談社、2006年1月発行
2006年4月8日読了

↑このページのトップヘ