男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

実にわかりやすいキーワードが散りばめられています。
働く上流と踊る下流
上流は女性らしさ、下流は自分らしさを大切にする
ミリオネーゼ系キャリアウーマンの闊歩する日本橋
渋谷(センター街)はすでに下流の街
下流は自民党とフジテレビ、スポーツ観戦が好きで「ぷちナショナリズム」的である
等々

マーケティングを専門とする著者によれば、本人の上昇志向/現状志向、仕事志向/趣味志向の違いにより、女性は1)ミリオネーゼ系、2)お嬢様系、3)かまやつ女系(ストリート系)、4)ギャル系、5)普通のOL系に分類されるそうです。周囲の女性を見回すと、何となくそんな気もしますが、本当かなぁ?
ちなみに男性は1)ヤングエグゼクティブ系、2)LOHAS系(いまハヤリのヤツね)、3)SPA!系、4)フリーター系だそうです。
自己分析結果:最も平凡なSPA!系でした。トホホ……。

途中、食傷気味となる箇所が多数見受けられるのですが、団塊ジュニア世代を中心に消費動向・意識調査から格差社会の実態を暴き出したという意味で、会心の作と言えましょう。
(食傷気味……細かい数字を並べて分析するのは良いのですが、同じような解説が続くのはいただけません。)

現在の政府の少子化対策は正社員の女性をターゲットにしているが、彼女たちに比べて年収が低いために出産を決意できない派遣社員・契約社員を対象にしない限りは、少子化に歯止めがかからない、と言う指摘はさすがです。
(猪口大臣はどのようにお考えなんでしょうか?)

自分なりの本書の結論ですが、結局、上流と下流の決定的な差は「当たり前の生活態度、こどもの頃からの躾」である。これにつきます。

下流社会 新たな階層集団の出現
著者:三浦展、光文社、2005年9月発行
2006年3月10日読了

なんで入場料を300円も取られるんだ!
と思いきや、中に入ると昭和30年代の町並みが拡がるのでした。
心地良いノスタルジア! 昭和33年だから生まれていないのですが、高度成長期の日本の活力が伝わってきます。
ラーメンだけではなく、小規模ではありますが当時の裏路地(?)が楽しかったりします。
(連れ込み旅館もあるぞ! 入れませんが)
今回は出張のついでに立ち寄っただけでしたが、また来たいな!
(ラーメンは少し高め。でも美味。)

写真は映画「地球防衛軍」看板から。20060307_1

紛争世界で積極的に平和維持に活躍する世界のPKO部隊。その歴史と部隊編成、現状と将来、アルバニア(1997年)、マケドニア(1998年)、コソボ(1999年)、ボスニア(1998~1999年)での活動実態、自衛隊初のカンボジアPKO派遣の評価、それに、人道的な国際救援活動の哲学(?)が語られます。
よくある「頭でっかちな学者先生」本とは違い、ルポを中心とした構成で、非常に読みやすいです。
国際連合(国連)、ダグ・ハマーショルド氏の理念と行動力、ブライアン・アークハート氏の情熱、自衛隊(防衛庁、情報本部、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊)に興味と理解のある方は、ぜひ読むべきと思います。

世界のPKO部隊
著者:斎木伸生、大久保義信、他、アリアドネ出版、2000年6月発行
2002年11月13日読了

兵庫県は西脇市にある旧来住家(きしけ)住宅へ行ってきました。
正確にはドライブの最中に立ち寄っただけなのですが、大当たりでした。
http://www.city.nishiwaki.hyogo.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1128582449572&SiteID=0

大正7年当時の価格で8万円、現在なら50億円にも達する金額を費やした民家は、これぞ「戦前日本ブルジョワ階級のお屋敷」といった趣で、見所がたくさんです。
敷地は390坪あります。個人の民家です。犬養毅首相や宮家の面々も宿泊したそうです。
間取りその他の解説は公式HPに譲るとして、特定方向に反った松の木を数本、ふんだんに使用した梁が印象に残りました。

だだっ広いだけでなく、調達品その他も豪華なものです。庶民の掘立て小屋とはまったく異なるものです。でも、使用人の部屋は八畳一間、女中部屋は四畳半……こんなところに戦前の階級社会が垣間見えます。主人と客は夕方から夜更けにかけて贅を尽くし、下々の者は狭いところへ押し込める、と。やがて来るであろう未来の日本住宅事情を暗示するようです。

戦後、住宅都市整備公団の設計した2DK、3DKからはじまり、近年の流行である3LDKや4LDKの間取りには、何か物足りない思いがします。それは「客間」です。20年くらい前の一戸建て住宅には応接室なるものがあり、一番良い調達品を揃えていた、そんな記憶があります。いまではリビング中心の間取りとなってしまい、来客に「家族の居間を見せる」ことが当たり前となってしまいました。それがイヤなら茶店かファミレスを利用するしかないわけで、ゆとりの無い生活を助長するように思えてなりません。(借家よりは、コンパクトでも良いからマイ・ホームを獲得する。その夢を実現するためには贅沢は言っていられませんが。)

ひとつ問題が……。駐車場が無いのです。無いのですが、ガイドさんによると、目の前にある西脇市コミュニティセンター駐車場か、コープの駐車場に停めてOKとのことでした。
(それならそうとパンフレットに書いて欲しかったですが。)

不器用でも真っ直ぐな駅長、佐藤乙松。この男には「定年後の人生」なんて無い。そんなことは考えない。

鉄道員として生きて、生きて、死んでゆく。

仕事一筋の男をここまで真摯に演じてくれるとは……。やはり高倉健は本物です!

クライマックス近く、原作がフラッシュバックされるせいか、思わず涙が"じわっ"と。

「雪子か?」の場面は実に良いですね。良いのですが……所詮、広末涼子はアイドルなんだ、と再確認しました。(すでに過去の人でもあります。)

それにしても、浅田次郎です。「蒼穹の昴」、映画化しないかな?(5年くらいかかりそう。)

平成18年度~20年度 NHK経営計画なるものが公表された。
http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/keikaku/index.htm

WEBではひっそりとpdf形式だが、TVは違った。
1月24日19時のニュース。他の重大ニュースをさしおいて、この関連だけで延々と3分以上も報道する異様さ!
「H2A型ロケット8号機打ち上げ成功」なんて20秒で終わりのくせに!

やれ、経営計画をまとめた、関係省庁に提示された、放送のスクランブル化には反対の立場だ。予算はこれだけ、受信料未払い者には法的手続きを取る、等々。

これのどこがニュースなんだ? NHKの予算は日本国民の予算だとでも言いたいのか? 自分たちの組織を守るための戯れ言なんて誰も聞きたくないし、自己弁護に終始する映像なんて見たくないぞ!

さらには1月25日、ゴールデン枠の21時から22時の時間を贅沢に使って放映されたのが
「NHKはこう変わります~3か年経営計画」
だ。
このヘッポコ番組も、受信料を湯水のように使って作られてるんだから。
何考えてるんだか。

いちおうフォローしておきましょう。
クローズアップ現代、毎日欠かさずに観ていますよ。高い受信料を払……(略)。

この映画、近年の「無理矢理こじつけたような右煽動おぼっちゃまマンガ」路線に便乗したような、イヤらしい意図が感じられます。
また、「目の肥えた映画人」ではなく、1stガンダム世代か、その下の20歳代がターゲットなんでしょうね。

まぁ、その辺りをまったく考えないで観ると、やはり戦争物! 男には実に面白いですね。
(女性にはいまひとつかもしれませんね。恋愛要素も「おまけ」みたいなものだし。)
キャスティングも絶妙です。艦長を演じる役所広司もハマリ役ですが、柳葉敏郎演じる副長が良いですね! 「ついて行きます!」と言いたくなります。

それでも、つっこまずにいられないなァ。
1.原爆
どうして投下された午後に、海軍予備役士官(艦長ね)だけでなく、回天搭乗要員の一般兵まで「原子爆弾」の名を知っているのか?
米軍内でも極秘開発された兵器であり、当時の日本では一部を除いて「新型爆弾が投下された。破壊規模は不明」レベルの認識だったはず。
(実態と把握するため、わざわざ東京から幹部が視察に飛んだ、と記憶しています。)

2.女
ナチスの取得した「被験体」にもかかわらず、どうしてあのヘアスタイルなのか? 髪も立派な資源なんで、本当は丸坊主のはずだ!

どうしてあのボディなのか? ろくに食事も与えられなかっただろうから、もっとガリガリにやせこけていたはず。

ナチス・ドイツの囚人であるなら、あんな綺麗で健康な美女でいられるハズがないことは、ホロコーストの文献や映画で十分に認識されるはずなのですが。
(それじゃ、エンターテイメントに不足か。仕方がないですね……)

3.艦砲
旋回式主砲塔を有する最新鋭の潜水艦。それは良いのですが、あの主砲の「蓋」は、どうやって開閉されるのでしょうか?
劇中では二本同時に開放されていましたが、砲身の外部にそれらしき機械・電気装置は見あたりません。不思議だ。

4.魚雷
ローレライがあるとはいえ、どうして百発百中なのか? それもスクリューにピンポイント! ……命中率は五〇%に満たなかったはず。

もっと突っ込みたいのですが、やめておこう。

なお、原作者(福井晴敏「終戦のローレライ」)によれば、この作品はガンダムを意識して創られたそうです。大人の始めた戦いに引きずり込まれる子供たち。物語を通じて、一人の少年が大きく成長する姿を描く、等々。なるほどなぁ。
(引用:こっそりと買ったガンダムエース(角川書店刊))

国境をたやすく越えられる時代に生き、その恩恵を享受する日々の中、毎日のように報道される国家間紛争、内戦とその影で絶命する無数の人々の声なき声……。
そもそもナショナリズムとは、国民国家とは何なのか? その発祥の地とも呼べるフランス、ドイツ、連合王国の地政学的経緯と国民概念の違いが明らかにされます。

「ドイツ語を話すドイツ人」がドイツ国民の条件であるのに対し、自由・平等・博愛(友愛)の精神を有し、フランス領生まれである者は無条件にフランス国民となるのです。この違いが、サッカー・ワールドカップのメンバー構成に現れます。(フランスチームは金髪ラテン系、北アフリカ系、メラネシア系有り、ドイツチームは全員がゲルマン民族)

フランスの特徴とも呼べる啓蒙文明主義は、18世紀に欧州の国家体制の変革をリードした一方で、それがやがて植民地主義に転じようとは、1789年当時には予想すらできなかったでしょう。まさに歴史の皮肉といえます。
連合王国(ブリテン)の場合は「外に帝国、内にも従属国家」を抱えるイングランドの場合、世界帝国を維持している間は内政も安定しますが、帝国が瓦解するに従い、アイルランドを筆頭にスコットランド、ウェールズの自治・独立の動きも激しくなります。しかし、危機的状況になる前に、EUに加盟したことにより「三重のアイデンティティ」すなわちEU、連合王国、アイルランドのおのおのに属することとなり、かえって国内政治が安定したことが明らかにされます。
より大きな連合体に属することで、ローカルが安定するとの逆説。近い将来の東アジア、特に中国の動向を考える上で、参考になりました。

国民国家とナショナリズム
著者:谷川稔、山川出版社・1999年10月発行
2005年12月20日読了

タイトルの"通貨"の範囲を超過した、膨大な情報が詰まっています。
アメリカ、EU、中国、そして日本の通貨政策と、その政治・軍事との関係が明らかにされます。
ビルダーバーグ・グル-プ、イギリスのしたたかさ、中国の老獪さ、日本のひ弱さ……

1997年のアジア通貨危機についても、ジョージ・ソロス氏が悪者扱いされていますが、その黒幕はEUであったとは……

それにしても、中国で急速に開発が進む電磁波ミサイル兵器は脅威です。
いくらイージス艦、弾道ミサイル防衛を進めたところで、これらを無力化されてはたまったもんじゃありません。本気で対処しないと危ないですし、この辺に、新たな技術開発の芽が見いだせるのかもしれません。
その前に中国=北朝鮮同盟のテポドン"中性子爆弾"ミサイルを本州・九州に打ち込まれて「お陀仏」ですか……。
どの近未来予測の書籍を読んでも、「米中の狭間に埋もれて消えてゆく日本」の姿が浮かんできます。悲しいことですが。

将来、東アジアで日本が生き残るには、中国を牽制できる軍事・政治力を保持した上で、彼の国と友好関係を築くしか、手がないように思います。
(バカの一つ覚えよろしく形だけの「日中友好」を進めると、なめられて、奪われて、消されてしまう。)

通貨バトルロワイヤル
著者:浜田和幸、集英社インターナショナル・2003年1月発行
2005年12月15日読了

[かつて携帯の無い時代があった]
大人にとっての「携帯できる電話機」も、子供にとっては「ケータイできるITツール」、ですか。なるほどなぁ。この認識差が世代間の隔絶につながるわけですね。
思い返すこと13年前、仕事で初めて触れた「携帯できる特殊な」無線電話機は、本体が百科事典1冊分の大きさのショルダータイプで、送受話器が昭和の映画に出てくる「黒電話」そのもののカタチでした。初めて通話した感想は「高速道路の高架橋の上から電話できる。スゴイ!」の一言でした。もちろん、ノイズ混じりのアナログ方式で、連続通話時間は1時間に満たなかったと思います。
それがいまや、300万画素・光学ズーム式のデジカメを内蔵し、フルカラーLCDで動画もOK、着ウタ・WEBブラウジング、GPS内蔵、指紋認証機能まで実現するとは、想像すらできませんでした……。
僕の世代(30台後半)にとっては、携帯の普及は「便利な世の中になったナァ」なのですが、いまの中高生にとっては物心ついたときから存在したものであり、このあたりにジェネレーションギャップを感じます。

[メディア・リテラシー]
公立の小中学校にIT環境を整備する2000年の「eJAPAN構想」のもと、ハードウェアは国の威信をかけて急速に整備された。しかしモラル、リテラシーをはじめとするソフトウェアに関しては、国としての方針がハッキリと示されることなく、結局は民間の後追いとなってしまった。
しかもハードウェアにしても、アメリカのように個々の教室に整備するのではなく、コンピュータ教室にまとめて設置されることが多いそうだ(私立は違う)。昭和の枯れススキ頭脳を持つ年寄リーマン教諭にしてみれば、ネットやPCは「われわれには関係のない、特別な何か」でしかなく、オーディオや自転車と同じく「あって当然のもの」である子供の感覚とかけ離れていることが問題と言えます。

ネット王子とケータイ姫 事故を防ぐための知恵
著者:香山リカ、森健、中公新書ラクレ・2004年11月発行
2005年9月11日読了

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