男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

人生の分岐点・35歳へ向けての準備として「萎えたオヤジにならないためのやるべきこと全部」が書かれているそうです。
年収、フリーターだけではない安サラリーマンの危機、結婚、出産、転居、親の介護、ガン予防、投資とその前提としての貯蓄、等々。
すばらしくわかりやすく書かれています。まぁ、若者向きの指南書としては及第点でしょう。
実践的な内容は、それ相応の実用書(できれば専門書)を読め、と言うことですね。

28歳からのリアル・マネー編
著者:人生戦略会議、WAVE出版・2004年8月発行
2005年10月23日読了

古い大陸欧州の知性。読了後、とっさに浮かんだ言葉でした。

事象から距離を置き、深く呼吸し、沈思黙考する姿勢。歴史の中枢は新大陸に移ったとは言え、過去(劣悪なものも含めて)の蓄積に研磨された感性と怜悧な問題意識が、力で押し通す現在の米帝国とは異なる新鮮な論説を生み出してゆく……。
フランスの国際評論誌、ル・モンドに1998年から2002年の間に掲載されたなかから、厳選された記事が収録されています。
米国の外交専門誌、FOREIGN AFFAIRSと読み比べると面白いのかもしれません。

最後の植民地から未練がましく撤退させられたアルジェリア戦争。栄光の祖国に染みついた、この恥辱の記憶を歴史から抹殺しようと、フランスは国を挙げて取り組みます。驚くべきことに、中学・高校の歴史教員自身が「教育されなかったために」詳細を知らず、また「知らなくて良い」との国の方針に唯々諾々と従っているのです。過酷な植民地行政・「土民」弾圧・虐殺の事実すら「そんな些細なこと!」と片づけられてしまう現実……。一方でナチスについては、生徒の脳髄に徹底して叩き込まれるのです。
なんか現在の日中、日韓関係が穏やかに思えてきました。(双方に多々、問題はありますが。)

最大のタブー「ワーグナー演奏」を実行した世界的指揮者を国家レベルで弾劾する"民主主義国家"イスラエルの恐ろしい姿と、対するパレスチナ・アラブ社会の矛盾を突き崩すのは、あの故エドワード・サイードです。(合掌)

他にも、違う視点から探求した1989年の天安門事件(資本主義遂行のために当局が仕組んだ!)、世界銀行の「第三世界にとってありがたくない」現実、アフリカや中央アジアの資源国家を紛争へと導く「多国籍企業」の実態、等々。
読めば興奮間違いなしの記事が満載です。

実は、これらの記事はすべてWEBサイトで公開されたものであり、その気になれば読破することも可能です。それでも、紙媒体で読む意義があるとの認識に立ち、出版するに至ったと説明されています。同感です。

力の論理を超えて ル・モンド・ディプロマティーク1998-2002
著者:ピエール・コヌザ、ジャン=イヴ・カミュ、エドワード・サイード、他
NTT出版・2003年8月発行
2005年10月22日読了

今日は歯医者の日だ。下あご左側にはめた暫定的な詰め物を外し、銀色のかぶせものをつけてもらうのだ。
僕はたばこを吸わない。積極的に自分の意思で吸わないと決めたのではなく、気が付けば、そうなっていただけのことだ。
ガムも噛まない。あれは見苦しい。人前でクチャクチャと無意味に口を動かす。実に見苦しい! 本人は気づかないのだろうか?
その代わり、むかしはよくアメを口に入れた。
最近はコーヒーか紅茶だ。自販機の100円カップ飲料のお得意さんです。いったい一日にいくら費やすのか、数えたこともない。
実は一度だけ計算しかけたことがあったが、途中で恐ろしくなって止めた。いや、飲むのをではなく、計算をだ。
(月に○万円も費やしているとは……! 独身男の悪い習性だな。)

さて、アメだ。最初は普通になめていた。でも、仕事でイラツクと、つい噛んでしまうよになった。ボリボリ、ボリボリ、と。いつか虫歯になるぞ、噛むのは止めないとな、と思うのだが、あいもかわらず、ボリボリ、ボリボリとやっていた。
突然、上あご右の一番奥の歯に激痛が走り、自宅に近くて評判の良い歯科に泣きついて駆け込んだ。もう7年以上も前のことだ。
それ以来、その歯科にはお世話になっている。今日もやっかいになります、協同歯科さん。(正確には、神戸医療生活協同組合協同歯科。)

受付をすませて2回で待つ。ここにはニュートンが数冊おいてあり、パラパラとめくる。植物の種子や昆虫の卵のアップ写真なんて、久しぶりに見た。
待合室には他に数人、年配の男性が二人と、同年代の女性が一人だ。
「ニシオさん」と呼ばれたので、ハイと答えると、はす向かいのおじさんも「ハイ」と声を上げ、立ち上がった。「ニシオ、ユキオさんですね」「ハイ、そうです」とおじさんは診療室へ消えた。
「ちょっと! それ僕やんか」声には出さずに後を追いかけた。
おじさんは治療器具の満載された椅子に座ったが、歯科技工士さんに何か言われて、気が付いたようだ
「すみませんねぇ、年をとると耳が遠くなって」「いえ、いえ」
僕が本物と証明され、お互いにスミマセンと言い合って、その場は終わった。
治療を終えて家に帰った。

深夜、日付が変わってから風呂桶の中で思ったのは、相次ぐ医療ミスのことだ。
医療機関に勤める人は、医師も、看護師も、本当に休む暇なく働き続けている。
たとえば、点滴する場面を考える。入院患者のベッドには、患者名を記した名札がある。看護師さんが針を刺す。チューブを引っ張る、点滴液をセットする。すべてが正しいものなのか? 確認する術は、看護師さんの"目"だけだ。患者側にはわからない。
何かを間違えれば、患者の命にも関わる。
一方で病院の患者は、乳幼児と老人が多い。目の見えにくい人も多いし、耳の遠い人も多い。健常な成人と比較すれば、一部の人を除いて、認識力の相対的な低下は避けられないだろう。
医療スタッフのミスは許されることではないし、「遺憾に思う」のではなく、真摯に反省してほしいと思う。だけど患者側に問題はなかったのだろうか? 確認のために名前を呼ばれて、よくわからなくても「ハイ」と答えてはいないだろうか? 説明を受けても、よくわからなくても「わかりました」と答えていないだろうか?
今日、あのときは笑い話で済んだが、ありえない話ではない。ミスは起こりうる。老人は、これからますます多くなる。

それじゃぁ、どうするのか?
兵隊はIDカードを首からぶら下げ、戦死の際は、それで識別される。官庁あるいは民間企業では、IDカードで従業員を識別・管理する。
医療現場に、このシステムを取り入れることはできないのだろうか?
医師、看護師にとっては、確認のための労力も軽減されるだろうし、間違いは減少すると思う。
ベッドはもちろん、点滴チューブ、メスなど、あらゆる物体にICチップを埋め込むのだ。いずれは、人体にも。そうすれば、すべての体系で認証が働き、整合性の問題は片づくのではないだろうか?
抵抗はあるだろうけれど、まずは実行してみる。メリットが現れたら、それは肯定につながるはずだ。
もう、どこかでやっているのかな?
ES細胞の培養で気炎をあげる韓国あたりが、先に実現するかもしれませんね。
(2004年2月10日のなぐり書きを元にしました。)


急上昇が期待できる国内は株式投資の対象として、手を出しにくい海外には、投資信託することにしました。
さっそく、HSBCのBRICsファンドを申し込みました。
本日約定したのですが、いきなり350円も下落した……。

ブルーになってはいけませんね。ここは資源大国ブラジルとロシア、新興産業国インドと中国に期待します。
さて、鬼が出るか、蛇が出るか……。

らんま1/2(笑)。テレビ大阪の朝の再放送に触発され、ヤフーオークションで買っちゃいました。
海賊版DVDではなく、共産党独裁・拡張主義にしてインチキ資本主義国家の認定した正規販売品です。日本正規販売品との価格差は……13万円!
心配していた画質は問題ないレベル。まずは気に入った。
その気になれば、簡体中国文字と日本音声とを比べながら視聴できる楽しみもあるのです。

しかし……。しかしですぞ!

物語の鍵となる重要シーンが、すべてカットされているなんて、酷い!
(お風呂と温泉ですが)
かの国には「表現の自由」の無いことを忘れていました……。どうしてくれよう!
こうして、日中友好・国際親善にヒビが入るのですね。

人民共和国の諸君、宇宙飛行(50年前にソビエトが成し遂げた)に浮かれている場合ではないですぞ! まずは自らの人権をなんとかしなさいって!

ところで、高橋留美子さんの最新作は犬夜叉ですね。お隣の韓国では、神道(日暮神社、巫女……桔梗、かごめ)が障害となり、放映禁止らしいのですが、本当なんですかね?
なんだかなぁ……。

[新ガイドライン]
古今東西の世界史上で唯一、交戦権を持たない軍隊。それが日本国自衛隊であり、
これまでの解釈改憲(個人的には賛成)と根本的に異なり、1999年5月の新ガイドライン関連法の成立により、憲法9条の無力化が完成したことが指摘されます。

PKO協力法などでは、自衛官が武器の使用する根拠として「正当防衛」と「緊急非難」が明記されていますが、これらは派遣先で活動する自衛隊員に限らず、我々一般市民にも適用される日本国の刑法(第36条、第37条)が適用されているのです。
戦場、または敵国の民間施設を空爆する米軍の後方支援部隊として自衛隊は派遣され、補給活動等に従事するわけですが、後方支援活動だから「戦争当事国ではない」とする詭弁は通用せず、当然、相手国の攻撃対象となります。その際に刑法の遵守が云々、なんて言う暇はなく、結局は部隊行動として、相手国と交戦するハメに陥ります。すなわち、事実上の交戦権の保持となります。
現状でも、上記のような体制に変遷するわけですから、憲法は改正するべきではありませんネ。

[君が代教育]
在日35年になる外国人の目から、君が代教育についての率直な意見が述べられます。曰く、それは自発的な愛国心を生み出すのではなく、若者の潜在意識に恐怖心と服従心を植え付ける、と。私見では、従属心と読み替えた方がよいのかもしれません。

共産主義体制下のチェコスロバキアの例。八百屋の棚先には、野菜と一緒に「万国の労働者よ、団結せよ!」と書かれたプレートが並べられます。それは店主の思想ではなく、政府の指示に従順な、無害な人間であることを示すためなのです。すなわち戦前の天皇礼賛、毛沢東崇拝、金正日体制ほど極端ではなくとも、民衆のお上への従属心を示すシンボルなのです。そしてまた、歌詞の意味を深く考えることなく「"君が代"を唱える」ことも、それと同じであることが明らかにされます。

民主主義国家といえど、政府の意向に逆らっては生きていけない。このことを行間から読みとったとき、あの9.11直後のアメリカ合衆国の行動を思い出しました。少しでも「当局への従順さ」を欠いただけで強制連行されたムスリム住民たちの姿です。まるでセルビア占領下のボスニアの街を見ているようでした。
自分の思想とまったく異なる行動を強制され、とまどいながらも「周りのみんながしているから」と自意識に言い聞かせ、しかたないなぁ、と言われた通りにする。これが典型的な日本人の社会であり、コンセンサスであるのですね。
深く根付いた村八分社会。裏を返せば、その集団的恐怖には誰も逆らえない。

思えば「意味を考えずに、ただ指示された通りに成す」教育こそが、現在問題とされている一部の若者、すなわち深く考えない、自分のヤリたいことしかヤラない、強い意志の感じられない甘えた男女を生み出しているのではないか? そんな思いに至った夜更けでした。

憲法と戦争
著者:C・ダグラス・スミス、晶文社・2000年8月発行
2005年9月24日読了

三面記事扱いだったが、朝日新聞に掲載されていたのを読んだ。(2005年9月18日)
http://www.asahi.com/national/update/0917/SEB200509170009.html

約240名の隊員が、商店街の真ん中をを小銃で武装して行進したそうな。
佐世保市での出来事。なんでも、相浦駐屯地の創立記念行事だとか。それなら、駐屯地でやればいいのに。自衛隊に興味ある人なら、ちゃんと出向きますって。

石原ライト都政は防災訓練に自衛隊を投入し、それなりの成果を上げていると思う。「成果」とは、これすなわち都民の自衛隊に対する違和感の排除。すなわち、訪れるであろう大震災でのスムーズな活動を成就するための心構え。実に良いことです。
って、それだけか?
近い将来、新ガイドラインに沿った米日合同陸海空軍の大型演習が行われるはず。市街戦への対応も含まれるそれは、これまでの駐屯地内部だけで行われてきた小規模な演習とは一線を画し、一般市民を「巻き込んだ」ものになるに違いない。
備えあれば憂いなし。着々と進められる中央の情勢に、地方も負けじと動き出したのだろうか?

いろいろな信条を持つ人が住み、また訪れる真っ昼間の商店街。そのまっただ中を、迷彩服に身を包み、小銃(実弾は入っていないのでしょうね、まさか)を掲げ、軍靴の音を高らかに響かせて一糸乱れることなく行進する。自衛隊にとってはこの上なく気持ちの良いものでしょうが、商店街の人の気持ちは考えたのでしょうか?
旧帝国軍人に保護(=好き勝手に)された記憶の生々しい高齢の方。赤ちゃんを抱き抱え、普段の生活に一生懸命な若い夫婦。普段、テレビでしか迷彩服を見ない市井の人々の気持ちは、考慮の範疇外だったのでしょうか?
ハッキリ言って、恐怖感を与えたと思う。もしかして、それが目的?
違うのなら、もう少し考えて欲しいナァ。

2005年9月11日、衆議院議員選挙が終わった。小泉マジックによる参加型「観劇」と呼ぶべきか、あるいは「郵政民営化法案の国民投票」と称するべきか迷うところだが、結局は主力野党、民主党の大敗北に終わった。民主党は再建を試みることを表明しているが、結局は目論見かなわず、いずれは自民非主流派との連衡合従が行われると予想する。

郵政ではなく、年金、財政が国民の関心事であることは明らか。野党はこの点をつくも、あきらかに準備不足だった。
結局は、郵政民営化法案も財政問題に繋がるわけだから、「国民の財産をどうするのか」を論点に持っていければ良かったのだが……。

開票日翌日のNHK夜の番組で、自民幹事長、それに各党の党首の討論番組が放映された。
社会民主党は今度の選挙で全滅すると思っていたが、どっこい、生き残った!
ここのマドンナ党首は、魔法の言葉「憲法」が大好き。なにをいまさら、護憲もないでしょうよ。
1999年の段階であれば、その主張も傾聴するに値した。だが同年のガイドライン関連法の成立により、すでに憲法九条は唱えるも悲しい念仏と化した。九条堅持・護憲の社会民主党は「死に体」といえる。
「何を言ってんの?」と思われる御仁へは「憲法と戦争」(ダグラス・ラミス著。晶文社刊)の御一読をお奨めする。

それにしてもこの選挙結果です! 祭りが終われば、現実が待っているのです。これからは政権与党の「やりたい放題」が可能ですね。
郵政民営化の次は何でしょうか? 「財政再建」と銘打って、消費税率大幅アップ、社会保険料率「改正」、医療費受益者負担の増額等々、官僚に優しく生活者に厳しい政策のオンパレードですかね? おそらくは軒並み、実行に移されるのでしょう。マスコミも今度は、政府と「こんな政府を選んだ国民」に対し、批判めいたことをだらだら報道するのでしょうか。
文字通り、あとの祭りです。
民主主義に万歳!

ちょっと中曽根さん! 中曽根弘文さんってば! 民意にしたがって信念を曲げ、今度は郵政法案に賛成するのですか? すなわち「民意で保身」ですか? 恥ずかしくないですか? 国会の先生方は「たとえ民意がそうであれ、間違っていると判断したから、信念を持って民衆を導く」選良だと信じていた私がとんでもなくバカだったのですか?
そもそも、あなたが最初から賛成しておけば、今回の面倒な解散・総選挙はなかったハズで、よけいな経費もかからなかったのですよ! 自民党もここまで議席を増やすことはなかったのでしょうね。
なるほど、小泉首相閣下の戦略でしたか。わざと参院で否決させて衆院を解散させる、と。邪魔な派閥領袖の権力を削ぎ、野党の数を減らし、自らの権勢をこれまでに無いほどに高める。そのために、わざと反対に回った……そうですね? 大成功でしたね!
法案を可決した衆院をなぜ解散したのか不思議でしたが、そういう事情があったのですね。
そして先生は、重要閣僚ポストをゲットする、と。英明たる大臣閣下の御成りです!
なるほど、失礼ながら、御尊顔は若いときの父君の方が精悍そうでしたが、知略では一歩も引けを取らない。そういうことですね?
権謀術数というより、魑魅魍魎の世界。
民主主義に万歳!

さてさて、外に目を向けます。最重要にして唯一の軍事同盟国、アメリカさんは歓迎してくれているようですね。「ますます自分たちの思い通りになる」と。可及的速やかに解決せねばならないのは、米軍再編にともなう基地問題と、太平洋軍司令部(?)の日本国内設置ですね。まるで自国領土のような扱いですが、占領軍なのだから「当然のこと」なのでしょう。
さて、お次は何でしょうか? おそらく、ガイドラインで想定された「米日合同軍のグローバルな規模での作戦行動」をスムーズに実現するための、「日本の改造!」ですね。
具体的には、米軍にとって邪魔でしかない「九条の完全な抹殺」と、自衛隊の「軍」への昇格といったところでしょうか。
いまの自民党政権なら、憲法改変も現実味を帯びてきますね!
民主主義に万歳!

○○○○○

憲法の改変には反対です。刻々と変化する国際情勢に対峙するにも、これまで通り「九条の解釈改憲」で臨機応変に臨めば良いのです。現実主義は大切ですが、何も理想をかなぐり捨てることはありません。

あまり注目されない憲法前文ですが、要するに「恒久の平和を念願」し、「平和を維持」し、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」われわれ日本国民は、「全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを」誓っているのです。

たしかに九条では「戦争を放棄」していますが、憲法のエッセンスとも言える前文の目的を達成する手段として、堂々と自衛隊を活用すればよいと考えます。
ただし、自衛隊は国際平和の実現への「ひとつの手段」です。他の手段として、日本国・日本企業の持てる技術を利用できれば……。
いまこそ、日本国民の一挙手一投足が注目されています。
(言うは易し、か。……無い知恵を絞らなければ!)

この4年間、アメリカさんにベッタリ寄り添い、イラク問題(自衛隊派遣の実績作り)と穴だらけの郵政民営化に没頭している間に、民主主義の成熟した欧州では新しい社会・経済システムへの移行が進められてきました。すなわち、

The 'Anglo-Social Model'、アングロ・ソーシャルモデル。

Newsweek誌(日本版2005年9月7日号)によると、1997年以降、イギリス・ブレア政権の進めてきた政策で、アメリカ型の純粋資本主義経済に北欧型の社会保障制度を融合させたものであり、貧困対策=雇用対策、税金制度、育児サービス等の充実を図り、失業率の低下と経済成長とを実現しているそうです。

日本と同じく国会選挙の行われるドイツではもちろん、数カ国で批准が否決され、EU構築推進に危機感を抱いている欧州各国で注目を浴びています。
大マスコミでは報道されず、主要政党も話題にしません。注目されるのは9月後半以降になるのでしょうか。
それにしても、ブレア氏です。"ブッシュの犬"と嘲笑されながらも、着々と独自の政策を邁進させるあたり、さすがは民主主義先進国の宰相ですね。パフォーマンスの目立つどこかのライオンさんとは、えらい違いです。

現実的には(この先20年くらい?)、事実上の帝国であり、世界覇権を握る合衆国と歩調を合わせる以外、日本の選択肢は無いのであり、これからもそうするのでしょうが、整合性の乱れない範囲で、近未来の日本と世界の姿を見据えた、新しい社会制度を追求していきたいものですね。
(世界中から賞賛される"わび・さび"の効いたヤツをね。)

2002年3月から日本政府全権特命の軍縮大使として、ジュネーブに赴任し、全世界を相手に「平和を頑なに愛する、そして過去、核兵器の被害に遭い、核軍縮を主張する資格のある日本」の立場から、強力に軍備縮小をリードした2年間が記録されます。
特に、世界中に氾濫し、戦争終了後も人手に残り、災いを生み続ける拳銃や小銃、すなわち、事実上の大量破壊兵器である「小型武器」に関する軍縮こそが急務であり、国際社会を構成する各国政府の責任であることが、情念を込めて明らかにされます。

特筆すべきは、硬派なエリート学者(エール大学博士!)の視点からだけでなく、女性、そして母親の強く穏やかな視点から、世界の周辺、地域の周辺、その周辺に追いやられた女性と子供の立場に注目し、彼らを「非平和」から救済することこそ、本当の平和であることを強く訴えていることです。政治・軍事のジャンルでありながら、その深い包容力の擁する筆致により、暖かな読後感が残ります。
今年読んだ本の中でも、個人的には最大の収穫でした。

もうすぐ衆議院議員ですね! 週刊誌ではいろいろと書かれていますが、過去に読んだ著書(ポスト覇権システムと日本の選択、戦争と平和)の内容といい、過去のコラムといい、この人こそ、国会議員に適任だと信じていますし、期待しているのです。
いずれは「大臣」の立場から思う存分、持てる力を発揮していただきたいと思います!

戦略的平和思考 戦場から議場へ
著者:猪口邦子、2004年9月、NTT出版発行
2005年9月2日読了

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