ロンドン中心部の住宅事情、夏のロンドンで"庭"の持つ意味、年代物のタウンハウスの持つ味わい。
タウンハウスの魅力を引き出す美麗な写真をフルカラーで味わえる。
・1666年のロンドン大火を契機に、街並みは一変した。木造個別住宅からレンガまたは石造による集合住宅への変遷。300年以上たった今でも統一された美しい景観をわれわれに提供してくれる。
・住宅取引の90%が中古住宅とは驚きだ(p80)。
・巻末に、本文中に紹介されたタウンハウスのリストと地図が掲載されているのは嬉しい。
・僕のお気に入りのグロスター・プレイス(ベーカーストリートの近傍)に触れられていないのは意外だった。
「時を経てもなお美しさを増すジョージアンやヴィクトリアンに住むこと」(p84)が、人々にとって憧れとある。古い歴史的文化。それを手入れして「活用」しつつ、後世に伝えてゆくことの素晴らしさが、この日本でも見直されることを願って、美麗な装丁の本書を閉じた。

ロンドンのタウンハウス巡り
著者:加藤峯男、建築メディア研究所・2015年7月発行
2019年2月7日読了
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ロンドンのタウンハウス巡り
加藤 峯男
建築メディア研究所
2015-07-27