最上級生ともなれば、音楽と青春だけしているわけにはゆかない。何より久美子は部長だ。部全体のこと、大会のこと、まぢかに迫るサンフェスのこと。考えることは山ほどある。
自分の将来のことは?
黄前久美子、高校三年生。新入生と、強豪校から転入した真由を迎えた彼女の「焦燥感」を憶えつつの最終学年の活動が描かれます。
・黄前相談所は今回もフル稼働。無意識のうちに「ことば」を発してしまう久美子も健在で一安心(?)だが、部内の空気はそんな軽口を許さない雰囲気に……(p190)。
・「パンダ」の件にはニヤリとさせられた(p173)。奏はこうでなくちゃ。
・「朝の空気を貫く、まっすぐな音色」(p181)麗奈の性格がよく現れている。
・戸惑いオーディション。目を逸らすことのない(p322)部長としての久美子の存在感がある。
今回もトラブル続出で、面白さとほろ苦さに「金賞」です。後編が待ち遠しい!

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章・前編
著者:武田綾乃、宝島社・2019年4月発行