『xieシエ』
中国の伝説の生き物を飼うとしたら、その資格は何だろう。そして幸せって何だろう。「たった一日で、シエは乾いてしまった」(p43)とあるのは、親しい人の死に行くと同じ。思わず涙が滲んだ。

『マダムの咽仏』
男とオカマ。二つの人生を見事に生き抜いた人物像はすがすがしい。「裏山を駆け降りて、まっすぐに、力いっぱい歩いてきた男の目だと思った」(p153)僕もこのように力強く齢を重ねたいと思う。

『零下の災厄』でおおいに笑わせてくれた後、最終作『永遠の緑』では、暖かで心地よい涙を誘ってくれる……。これぞ小説、これぞ人生……浅田次郎の短編集は最高だ。
他に表題作『姫椿』、青春のメモリーと現世がクロスする『オリンポスの聖女』『再会』、悲喜こもごもな『トラブル・メーカー』を収録。

姫椿
著者:浅田次郎、文藝春秋・2001年1月発行
2019年10月12日読了
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姫椿 (文春文庫)
浅田 次郎
文藝春秋
2003-09-02