兵庫県は西脇市にある旧来住家(きしけ)住宅へ行ってきました。
正確にはドライブの最中に立ち寄っただけなのですが、大当たりでした。
http://www.city.nishiwaki.hyogo.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1128582449572&SiteID=0

大正7年当時の価格で8万円、現在なら50億円にも達する金額を費やした民家は、これぞ「戦前日本ブルジョワ階級のお屋敷」といった趣で、見所がたくさんです。
敷地は390坪あります。個人の民家です。犬養毅首相や宮家の面々も宿泊したそうです。
間取りその他の解説は公式HPに譲るとして、特定方向に反った松の木を数本、ふんだんに使用した梁が印象に残りました。

だだっ広いだけでなく、調達品その他も豪華なものです。庶民の掘立て小屋とはまったく異なるものです。でも、使用人の部屋は八畳一間、女中部屋は四畳半……こんなところに戦前の階級社会が垣間見えます。主人と客は夕方から夜更けにかけて贅を尽くし、下々の者は狭いところへ押し込める、と。やがて来るであろう未来の日本住宅事情を暗示するようです。

戦後、住宅都市整備公団の設計した2DK、3DKからはじまり、近年の流行である3LDKや4LDKの間取りには、何か物足りない思いがします。それは「客間」です。20年くらい前の一戸建て住宅には応接室なるものがあり、一番良い調達品を揃えていた、そんな記憶があります。いまではリビング中心の間取りとなってしまい、来客に「家族の居間を見せる」ことが当たり前となってしまいました。それがイヤなら茶店かファミレスを利用するしかないわけで、ゆとりの無い生活を助長するように思えてなりません。(借家よりは、コンパクトでも良いからマイ・ホームを獲得する。その夢を実現するためには贅沢は言っていられませんが。)

ひとつ問題が……。駐車場が無いのです。無いのですが、ガイドさんによると、目の前にある西脇市コミュニティセンター駐車場か、コープの駐車場に停めてOKとのことでした。
(それならそうとパンフレットに書いて欲しかったですが。)