男ひとり旅の美学

[旅の恥は書き捨て]ってことで。あと、BMWと読書感想文も。

2007年05月

「ホ・ジュン」が終わった。大往生だった。
いまから400年前、正しいと思うことを行動に移し、悔いのない人生を歩んだ男の物語。
その死に、曇りのない人格に惹かれた多くの仲間が涙した、李氏朝鮮時代の医師の物語。
その生涯に使命を課し、明朝の文献に劣らぬ医書を遺した、仕事人の物語。

90年代のトレンディドラマ(死語)や、月曜夜9時のキムタクものには見向きもしなかったのに、兵庫県のU局、サンテレビジョンで放映されていた韓国ドラマには、はまってしまいました。
「韓流だって?」 これまで、マスコミに仕掛けられた「流行もの」に弱い羊たちを哀れに想い、ヨン様ブームなるものを脇から冷笑していたのに、これです。

何が良かったのかなぁ?
テンポが早い。あくびの出るネタ切れNHK大河ドラマのようにダラダラせず、人生のポイントを力を入れて描写するのが新鮮だった。
主人公の気骨に惚れた。チャラチャラ恋愛物語と違い、伴侶と親、息子に犠牲を強いながらも、強靱な意志を持って仕事を完遂する姿に魅せられた。
自らの悲惨な境遇にもめげず、どこまでも弱者(病院)を救済する使命感が、胸を熱くさせた。
絶対王政、貴族と平民の身分制、誠意を尽くしても報われず、それでも自己犠牲の精神を忘れない"本物"の人格を、そこに見た。

サンテレビのホームページを見ると……。
「韓国では1999年に放送され、大河ドラマ史上初めて60%の視聴率を記録し、現在でも歴代視聴率4位に君臨する国民ドラマである」
納得だ!

些細な罪と理不尽な罰、儒教精神に縛られた封建社会の窮屈さ。親の死に目にもあえない地獄の境遇……。
人生の最後のシーンなんて、もう……。涙が滲んだ。
DVDが出ていたら、最初から全部見るぞ!

http://www.sun-tv.co.jp/kandra_hojun/index.html

チャラチャラした時代に、あえてハードボイルドを貫くことの意義!
江戸川乱歩賞を獲得した、この作品の衝撃は憶えている。
「テロリストのパラソル」
その冒頭の、著者の言葉は、こうだ。
「黄金の時間というものがある。……週末にウィスキーを飲みながらミステリーを読む時間だった。……ウィスキーがビールになり、そのビールもずいぶん量はへったが、この時間はいまも至福とともにある。
……一歩でもその職人の域に近づきたい。遠い夢かもしれないが、かくありたいと願う」
なるほど。作品を発表するにつれて、奥行きが深まるのは、この志があってこそか!

警察官、自衛官、探偵、女医、タクシー"探偵"運転手……。ミステリーの主人公は往々にして、特殊な職業に就くヒーローだ。普通のサラリーマンが主人公であり、特殊な技能を有するわけでなく、最大限の能力と勇気と知恵を振り絞って困難に立ち向かう。企業小説に現れるような主人公が犯罪に立ち向かい、体を張って正義を貫く姿は、快い読後感を与えてくれた。

闘病生活の様子を文学誌に発表していたのか……読んでいない。
氏の作品に現れる、あくまで昭和スタイルを貫く主人公。その男のスタイルには、酒とタバコが欠かせない。作品を読み重ねると、それが作者自身の姿であることを確信した。

2007年5月17日、藤原伊織氏が食道癌で亡くなった。
あくまでも自身のスタイルを貫き通す、か。最後に、男の生き方を見せてくれたと思う。
そして、氏の作品は永遠に残る。

地元の陸上自衛隊・第三師団の本拠地でイベントが開催されることを知り、行ってきた。
(第3師団創立46周年および千僧駐屯地創立56周年記念行事。平成19年5月13日開催)
兵庫県は伊丹市、JR伊丹駅からシャトルバス(阪急伊丹駅経由)に乗り、15分足らずで駐屯地へ。
夏のような暑さなので、まずは缶コーヒーでのどを潤わせることに。隣に立っていた、冬季制服にネクタイ姿の若い隊員さん(案内腕章付き)に話を聞くと、他の駐屯地から応援に駆り出されたとのこと。右胸の黒いネームプレートには「特科、情報中隊」と書かれている。なるほど、姫路からですか。どうもお疲れさまです。
この駐屯地は国道171号線を挟み、二カ所の敷地に分かれているようだ。歩道橋を渡って装備品展示場へ。
午後からゆっくりと入ったので、部隊観閲式と訓練展示は見られなかったが、主要装備を間近で見ることができた。

[装備品展示]
まずは装甲車。イラク派遣でおなじみのヤツだ。
74式戦車には人の山が……。大人気です。
「90式は入れないのか?」と質問する年配の男性に、若い隊員さんは「重いので……」と。妥当な回答かな。50トンを超える90式ではなく、より軽量化されるハズの新型戦車の導入が待たれるところだ。
化学防護車の噴霧ノズルを実際に持たせてもらった。なるほど、完全装備でこれを操作するのは大変だ。
気象観測車(?)なんてのもあった。「初めて見た」と言うと、迷彩服の30後半の隊員さんから「今年導入されたばかりの装備で、あまり知られていない」との回答。なるほど。

車両展示は数が多く、十分に楽しめた。何より印象に残ったのは、展示を囲むように、装甲車とトラックが走るデモンストレーションだ。砂塵を蹴り上げて走る姿は迫力がある。
迫力と言えば戦車だ。排気音=爆音がこれほどスゴイとは、初めて知った。
写真は後日。

[パネル展示]
期待していたのだが……。
一昨年に訪れた青野ヶ原駐屯地では、イラク派遣時の活動や国際支援活動に関する具体的でわかりやすい説明があったから、同様のレベルの展示を期待していた。
今回は、2006年度の主要行事と実弾射撃のビデオ再生のみで、他にこれといったものはなかった。地元住民の理解を深めるまたとないチャンスなのに、これではなぁ。

たとえば、師団長や連隊長の顔写真と、方針や訓示を掲げてはどうだろうか。最高幹部の姿勢がそのまま部隊の姿でもあるし、精強かつ誠実な自衛隊の姿をを印象付けられると思う。
また、「現場の隊員の実力」を知らしめる良いチャンスなのだから、防衛省から支給されるメーカ製造の装備品=自らの道具に対し、どのような工夫を施し、改善を提案・実施してきたのか等の説明展示があれば良いと思う。

勝手なことを書いたが、来年も行くぞ!
なんせ、女性自衛官は美人ばかり!

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