石見銀山が世界遺産に登録され、「そう言やぁ、兵庫には生野銀山があるなぁ」と思い立ち、播但自動車道を飛ばして行ってきた。(2007年12月1日)

神戸は快晴なのに、福崎~生野あたりは雨だ。(それが、坑道内の雰囲気を良いものにしてくれたのだが。結果オーライ。)

開抗は西暦807年。細々と採掘を続け、14世紀から本格的な事業となり、江戸幕府の「銀山奉行」と「生野代官」所の開設により、最盛期を迎える、か。
明治になるとフランス人技師を招き、最先端技術による坑道の増設を行い、それを引き継いだ三菱が、国内有数の大鉱山に発展させたとある。坑道は地下1Kmまで掘られた? まったくの驚きだ。

900円を払って入場すると、生野代官所の立派な門構えが……。庭園も悪くない。坑道の入り口はシンプルで、その後の「予想以上のワンダーワールド」を発見する楽しみを残してくれる演出かな?(手抜きでないと信じたい。)

観光坑道は意外と長く、のべ1Km、小一時間の小旅が楽しめた。天井が低いのは仕方ないし、天然の施設なのだから、雨水が頭上から落ちてくるのもまた一興だ。
内部では、中世~近代の採掘作業が再現されている。江戸期の貧しい男女と少年労働者(15歳以下)の働く姿、近代削岩機器、発破作業の実物大ジオラマが楽しい。
三菱鉱業(三菱マテリアル)の作業員の作業服は、見覚えのあるものだ。(平成1年9月までの三菱重工の作業服に同じだ!)
ハイライトは奥のエレベータ室と捲揚機だ。これが動けば、もっと良かったのだが。
苦言を呈すれば、あのライブラリーゾーンは「無いほうがマシ」だ。

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鉱山資料館、吹屋資料館は、まぁ良しとしよう。
水力発電機の現物が置いてあったのには興味が沸いた。
「KOBE WORKS MITSUBISHI ZOSEN KAISHA LTD. No.17 JUL. 1918」とある。90年近く前のものか!
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それにしても……。「生野銀山開坑1200年」を記念しているのなら、もう少し派手なイベントがあっても良いのでは? おみやげ屋も閑散としているし、店員も「待ち」の姿勢。これだけの施設を有効活用しないのはもったいないと思う。

http://www.ikuno-ginzan.co.jp/index.html