男ひとり旅の美学

[旅の恥は書き捨て]ってことで。あと、BMWと読書感想文も。

2016年10月

深夜のルーブル美術館。ドラクロワ『民衆を導く自由の女神』、カラヴァッジョ『女占い師』、ラファエロ『美しき女庭師』、『キリストの磔刑』『ピエタ』、『岩窟の聖母』、そして『シャルル七世の戴冠式のジャンヌ・ダルク』。人類の至宝の終結したグランド・ギャラリーで、衝撃的な殺人事件は発生した。襲撃された館長が自らの最期をウィトルウィウス的人体図に模してまで伝えたかったこととは何か。正にその夜の会合をキャンセルされたロバート教授に殺人の嫌疑がかかり……。ソニエール館長の孫娘ソフィーとの謎に満ち満ちた逃避劇は、三分冊840ページを一気に読ませてくれる。

・古代宗教、テンプル騎士団、ヴァチカン市国とカソリック教会。「聖書は人の手によるもの」(p130)であり、ローマ皇帝コンスタンチヌスによる325年のニカイア公会議が人類社会にもたらした犯罪的行為は何だったのか。

・パリ、ヴェルサイユ近郊のシャトー・ヴィレット、ロンドン。一夜にして国外逃亡を図るダイナミックさには興奮させられた。

・イングランドのメロビング朝にまつわる秘密。嘘で塗り固められた「マグダラのマリア」伝説が鍵を握る。

・「聖杯」の在処を示すキーストーンの謎を巡る旅は収着を迎え、そして黒い導師が姿を現す。

ソフィーの「家族にまつわる真実の物語」が明らかになる瞬間は、予想通りとはいえ、暖かな感動を呼び起こしてくれた。

そして「聖杯」の永遠に眠るべきその意外な場所。ロバートの感動を共有でき、極上の読書感をもって本書を閉じることができた。

The DA VINCI CODE
ダ・ヴィンチ・コード(上)(中)(下)
著者:Dan Brawn、越前敏弥(訳)、角川書店・2006年6月発行
2016年10月27日読了

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ホームズといえばヴィクトリア時代が思い浮かぶが、本書『帰還』シリーズでは世紀末から20世紀初頭にかけて、電気照明が実用化され、自転車の流行した時代に活躍する探偵の姿が愉しめる。

『Charles Augustus Milverton 犯人は二人』
本書の中のお気に入り。スキャンダルネタを手に社交界を揺るがし儲けるロンドンの大悪党、ミルヴァートンに対峙し、法を犯してまで名誉を守るホームズの姿が凛々しい。
冒頭、ミルヴァートンに屈するかにみえたホームズ。だが紳士たるもの、婦人が助けを懸命に求めているとき、危険など気にするべきではない。「自尊心や名声のために最後まで闘う」(p326)決意を行動に移すホームズとワトスン。この「二人の犯人」は真の紳士だ。
静寂の書斎の中の緊迫、そして訪れる復讐の惨劇。事後の某貴族夫人の胸中を想うとやるせなさが募る。せめて後半生に幸あらんことを願う。

『The Second Strain 第二の汚点』
或る秋の朝、グラッドストーンをモデルにした大物老政治家にして首相と、やり手の若手貴族閣僚の突然の訪問を受けるホームズたち。仏露・独墺の各同盟にバランスを取る英国の立場を揺るがしかねない手紙の紛失。時を同じくして起きた殺人事件。国際諜報組織のエージェント。ホームズの鮮やかな事件解決の手腕! 面白くないわけがない。

『The Dancing Men 踊る人形』
子供の落書きにしか見えない暗号の恐怖、秘密結社の内紛、誠実な男の悲劇。
ホームズの推理が冴える傑作。

『The Empty House 空き家の冒険』
突如、ワトスンの前にその姿を現したホームズ。バリツ、チベット紀行などの記述も興味深いが、愛妻を亡くした相棒に、悲しみには仕事が一番の薬だと慰め励ますホームズの姿が凛々しい。そうだ、男なら紳士でありたい。

『The Priory School プライオリ学校』
湿地帯に刻まれた自転車のタイヤの溝の形、「牛」の蹄、ホームズも驚愕したホウルダネス卿の秘密。ウェットとドライの入り混じる興味深い物語。

『The Abbey Grange アビ農園』
警察とは立場・思想の異なる民間のprivate detectiveは、被害者だけでなく、加害者にも法を超越した救済を示すことができる。ホームズの「紳士」がいかんなく発揮される一編。

他に
『The Norwood Builder ノーウッドの建築士』
『The Solitary Cyclist 孤独な自転車乗り』
『Black Peter 黒ピータ』
『The Six Napoleons 六つのナポレオン』
『The Three Students 三人の学生』
『The Golden Prince-Nez 金縁の鼻めがね』
『The Missing Three-Quarter スリー・クォーターの失踪』
を収録。

付録の『競技場バザー』『ワトスンの推理法修業』は小作品というより、習作といったところか。

スピンオフ作品は数あれど、やはり本家は何かが違う。
シドニー・パジット氏による挿画とオックスフォード版の充実した解説により、ホームズの世界を思う存分楽しめる一冊である。


The Return of Sherlock Holmes
シャーロック・ホームズ全集⑥
シャーロック・ホームズの帰還
著者:Sir Arthur Conan Doyle、小林司、東山あかね(訳)、河出書房新社・2014年7月発行
2016年10月17日読了

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15年乗った愛車320i M-sports(E46 6気筒2,200cc, 170馬力)の車検が終了し、ふと立ち寄ったディーラーで、BMW 330e Celebration Edition (F30 電気Motor+4気筒2,000cc, 252馬力)タンザナイトブルーに一目ぼれしてしまった。
内装は白のレザー、オーディオも充実、ホイールは19インチだし。

で、330e(M-sports)を数回試乗し、そのパフォーマンスに魅了され、購入を決意したのだ。

本日納車!
E46 320iとF30 330e。デザインコンセプトが大きく変わったことがわかる。
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新世代BWWエンジンのスムーズな加速は「快適」の一言に尽きる。
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明石海峡大橋を背景に。
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iPerformanceパーツも後付けできるとのことで、楽しみだ。
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僕のBMWの原点は、旅先の松山で遭遇した3シリーズ(E36 320i)の野太く、それでいて上品なエンジン音にある。そして2001年10月にE46 320i M-sportsを購入して初ドライブのエンジンフィールと高回転時の快音は、いまでも忘れられない感動だ。

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6気筒エンジン「シルキーシックス」の咆哮は本当に素晴らしい。でも新世代BWWエンジンのスムーズな性能も悪くない。

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明日、愛車E46 320iとお別れです。15年間、どうもありがとう!

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