男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

2018年09月

2018年9月16日(日)曇り

■上高地散策その2

朝は5時20分に目が覚め、穂高連峰の日の出を垣間見ることができた。
6時~もったいないので歩く。すがすがしい空気。天候は回復するも厚い雲が山頂を隠している。
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朝食は和洋のバイキング。まぁまぁか。
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で、部屋に戻ると、おもいがけないデザートが待っていたのだ。
穂高連峰の稜線! 素晴らしい窓からの眺望に歓喜!
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9時40分にチェックアウトしてバスターミナルへ向かいます。上高地ホテル白樺荘、良いところでした。
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河童橋からの眺めも見納めです。雨だった昨日と違い、河童橋は人で大渋滞。
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■松本へ
10時40分に上高地バスターミナル4番乗り場を出発。昨日のうちに整理券を入手していたので、スムーズに乗車できた。
11時45分、新島々駅へ到着。
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待ち時間の間、頭に布(?)をかぶせた東南アジア系の女性と会話。マレーシア出身で、登山用リュックにピッケルなどの本格装備を持参した女性3人組。日本へ来てくれてありがとう。僕もマレーシアへ行ったことがあるんですよ。もう20年も昔ですが。

やぁ、上高地線電車の復路は「なぎさトレイン」なんだな。
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12時7分、新島々駅を出発し、12時36分に松本駅へ到着した。

昼食は駅ナカの有名蕎麦屋をチョイス。15分も待ったが、海老2匹入りの美味しい天ぷら付きざるそばを堪能することができた。1,900円なり。
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で、晴れたのは良いが、暑い。外気温27℃か。

市内を周遊するバス「タウンスニーカー」に乗ったは良いものの、渋滞に巻き込まれ、なかなか進まない。ここはタクシーをチョイスするべきだった。
丸の内で降車し、少し歩いて14時50分に「松本ホテル花月」にチェックインした。

ここは松本民芸家具を贅沢ふんだんに使用したインテリアが
特徴で、雰囲気バツグンの良ホテルだった。部屋をグレードアップしたらよかったかなぁ。
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ホテルで松本城のチケットを購入。団体割引料金でお得。

■国宝・松本城!

「松本ホテル花月」から歩くこと10分。中世・戦国時代から現存し、築城400年を誇る国宝・松本城へ到着。本日の観光のハイライトだ。
ワールド・ビール・フェスティバルなる催しが開催されているせいか、すごい人の出だ。
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で、天守閣へ向かうと……待ち時間40分? 時刻はすでに15時30分。見学は17時終了。どうしようか……。
とりあえず並ぶと、心配をよそにどんどん列は進む。スタッフによる松本城クイズも楽しく、待ち時間は長く感じられなかった。
16時には天守閣へ入場できた。
靴を脱ぎ、ビニール袋に入れて持ち歩く。

内部は黒塗りの太い柱が並び、圧倒される。
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内部の展示も充実している。
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5階、6階への階段は狭くて急で……これはお年寄りにはキツイだろうな。
5層6階、天守閣最上階から城下を眺める。
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天井の構成はこんな感じ。
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階段が急でも人が多すぎても、この天守閣は値打ちがあった!
このアングルからの情景が気に入った。
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虹なんて観るのは19年ぶりだ。
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時刻は16時50分。本日の観光はこれで終わり。ホテルへ戻ります。


■I;cazaで夕食
「松本ホテル花月」のステンドグラスを超えた1階にそのレストランは存在する。
創作フレンチは芸術、その極みを目指す逸品がここにある。

秋の散歩道、大地からの贈り物、煙に巻いて巻かれて、ナベとハンマー、御吉兆! 海の「底」から、大地と海のアンサンブル、ひまつぶし、食後はユートピア! 最後は葉っぱで。
……これ、すべてメニュー名なんです。

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サーブのタイミングも良く、スタッフはフレンドリー。何より美味でした。
信州ワインも上品な味わい。満足。
ここは大浴場も広く、ゆっくりできた。
ほろ酔い気分で続きます。


三連休を利用してのコンパクトな旅行。上高地は雨だったが、清浄な空気と水に触れ、3,000m級の穂高連峰の眺望を堪能できた。いにしえの黒い城郭・松本城と昭和のモダン建築の姿も愉しめた。

【参考データ】
交通
2018/9/15土
 新幹線ひかり460号 西明石8:24(8:20)発~名古屋9:40(9:34)着
 特急ワイドビューしなの7号 名古屋10:07(10:00)発~松本12:08(12:04)着
 アルピコ交通上高地線電車 松本12:45発~新島々13:15着
 アルピコ交通上高地線バス 新島々13:30発~上高地14:36着
2018/9/16日
 アルピコ交通上高地線バス 上高地10:40発~新島々11:45着
 アルピコ交通上高地線電車 新島々12:07発~松本12:36着
2018/9/17月
 特急ワイドビューしなの16号 松本14:53発~名古屋17:01着
 新幹線のぞみ117号 名古屋17:33発~新神戸18:37着
 新幹線こだま757号 新神戸18:41発~西明石18:50着

宿泊先
 2018/9/15土 上高地ホテル白樺荘(1泊)
 2018/9/16日 松本ホテル花月(1泊)


■久しぶりの信州は雨じゃないか

2018年9月15日(土)

名古屋までのひかり号(N700系車両)はグリーン車を選択した。出発が少し遅れたが、快適なので問題ない。
名古屋で駅弁を購い、特急しなの7号に乗り込む。実はこちらのグリーン車のほうが広くて快適だったりする。
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12時8分に松本駅へ到着。残念なことに雨が降っている。
松本バスターミナルは駅から少し離れている。この辺は、アーケードを拡充するなどの配慮が欲しいな。
で、当初計画の「長距離バス、中の湯で路線バス乗継で上高地着」の切符を相談したら、アルピコ交通の係員さんは親切に「上高地線=鉄道+直通バス」のことを教えてくれた。こちらの方が楽で早いとわかり、その場で現金払いで買うことに。大人一人往復4,550円。たぶん、リーズナブルなのだろう……。

12時45分に松本駅7番ホームを出発したアルピコ交通上高地線電車は、十数個の田舎っぽい駅を経由し、13時15分に新島々駅へ到着した。
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上高地線イメージキャラクター「渕東(えんどう)なぎさ」がお出迎え。
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ここで乗り換え。13時30分に新島々を発車したバスは、稲核ダム等を経由し、14時28分に大正池に到着。もし晴天だったら、ここから河童橋まで1時間強の道のりを歩いていたかもしれない。
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14時36分に上高地バスステーションに到着した。トイレはチップ式か。ホテルまで我慢だ。
バスステーションから歩くこと10分、河童橋がみえてきた。ここはかるく眺めて、奥に見えるホテルへ入る。
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15時15分、今夜お世話になる「上高地ホテル白樺荘」にチェックイン。河童橋を渡り切ったところに位置し、ロケーションは最高(のはず)だ。
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公式HPから「穂高連峰独占のリニューアルツインルーム」を予約したのだ。穂高連峰が良く見える。これで天気が良ければ……。(この思いは明朝、叶えられることになる!)DSC01658
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■上高地散策その1

1時間ばかり休憩の後、田代橋へ向かって歩くことにした。1時間強の散歩コースだ。ホテルで大きな傘を拝借、と。

梓川の流水の綺麗なこと! 空気まで美味い!
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台風の影響か、倒木が多いな。

ウエストン碑って、これだけか……。
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折り返し地点の田代橋だ。
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自然の良さがよくわかる。
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河童橋が見えてきた。
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17時40分にホテルへ戻る。

夕食はこの手のホテルで多い和風フレンチ。
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特筆すべきは肉料理。湯葉でつつんだ信州牛(?)のフィレは最高の舌触りだった。これを食すために、もう一度訪問しても良いくらい!
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上高地ビール、赤ワインも美味だった。

おいしい料理に舌鼓を打ち、続きます。
(大浴場は洗い場が狭く、いま一つだった。)


1937年の東京。女学校を辞めて音楽私塾での女中奉公にいそしむ波津子は、ふとしたことから『乙女の友』編集部に雑用係の職を得る。不慣れな会社員生活。理解を示さない同僚。孤独感と辞意。それでも思いとどまることができたのは、幼馴染から譲り受けたフローラゲームのカードと『乙女の友』への熱い思いだ。それが、編集部員見習いとなるチャンスを呼び寄せて……。一方で戦局は熾烈を極め、1945年に向かって出版環境は厳しくなってゆく。
運命を時局に左右されるは庶民の哀しき定め。だがそれが一度きりの人生の礎となるなら、懸命に生きるしかない。

・マルチアーチスト・長谷川純二(中原純一)の表紙画と挿画を目いっぱい散りばめた『乙女の友』(『少女の友』)誌。長谷川の才能を見いだして大抜擢し、自らの詩へのイラストも任せた編集主筆、有賀憲一郎(内山基)。銀座にビルを構える大和之興業社(実業之日本社)社長と個性的な編集部員たち。川端康成や吉屋信子をモデルとした作家陣。愛読者の集い「友の会」(「友ちゃん会」)。そして昭和13年1月号附録・60枚の花占いカード『フローラゲーム』(『フラワーゲーム』)など、当時実在した華やかな世界観が本書全体に散りばめられている。一方で、楽しい誌面を世に送り出す労苦は並みのものではないことも理解できるようになる。
・「泣いてはいけませぬ」ヒヤシンスのカードの「言の葉」に何度も心を奮い立たせる波津子。縁(よすが)とするものは大切だ。そして、この「言の葉」が繰り返される昭和20年の地獄絵図の展開(p402)には圧倒された。
・子どもから大人になるわずかな期間、美しい夢や理想の世界に心を遊ばせる(p181)、「こんな時代だからこそ、少女たちには美しい夢を」(p111)、この有賀の信念は軍部や内務省の圧力を当初は跳ね除けるが……。
・『フルーツポンチ大同盟』が抜擢される怒涛の展開(p196~)ではワクワク感を楽しめた。「すがる思いで美蘭を見る。美蘭が横を向いた」(p200)は新人作家にとっての厳しい現実だ。
・有賀、社長、上里編集長の緊張しつつも、互いへの想いに溢れた「男の世界」も、本書の魅力を最大限に引き出している。「いや、ここにいる。君が先走ったことをしないと、確証が持てるまで」(p223)。うん、良い。
・「永遠に慕い続ける思い」(p229)、有賀憲一郎への波津子の淡い思いも、本書が大切にするひとつだ。
・やれなくても、やってやる!(p265)
・東京大空襲による銀座の消失。それでも、希望を捨てないことの強さ(p382)。
・「友へ、最上のものを」(p334) エピローグは涙が止まらない。

勇気づけられるエピソード満載。

「遅れてきたのですが、僕たちもまた『友』なのです」(p437)、最良を目指す精神は時代を超えて受け継がれる。この、読者に向けての著者のエールを胸に受け取り、感謝とともに書を閉じた。

彼方の友へ
著者:伊吹有喜、実業之日本社・2017年11月発行
2018年9月18日読了
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彼方の友へ
伊吹 有喜
実業之日本社
2017-11-17


1945年8月15日の玉音放送。その数日前の上海の緊張感がひしひしと伝わってくる。すでに敗戦の報道は街を駆け巡り、日本当局の統制は緩み、青天白日旗が掲揚され、ほうぼうで爆竹が鳴り響き、支那人は好き勝手な行動に走っていたことがわかる。
記録とは、つねに誰かの目を通してとらえられた「事実」であり、その積み重ねが「歴史」につながってゆく(p348)。優れた日記文学の価値、その希少さが本書にはある。

・8月11日、日本の敗戦が報じられた日の国際都市上海に残留する堀田の決意は固い。「学ぶのは今日この時、学識よりも経験よりも何よりも一番大切なものを見得るのは今日だ」(p24)
・1945年10月、敗戦後の虹口に集められた(捕虜収容所の様相)、白腕章を強制された日本人の生活は劣悪を極めるが、それでも堀田は本を買い集めるなど、知的生活に余念がない。内地への引き上げ、国共内戦、国民党政府の末端に至るまでの腐敗。「銃やピストルを持った巡捕や中国人自警団」(p51)が闊歩し、夜半に銃声が響き渡る中、酒を酌み交わし、日本と支那の今後を語り明かす夜は不安と希望の混淆したものだ。
・「文化の運命について」と題した11月22日の日記。荒涼たる煉瓦の堆積の中の一冊のぼろぼろになった大きな本(p95)。あはれという大和言葉の意味するところは興味深い。
・東北地方に残された日本人婦女子の運命。これを堀田は「戦争犯罪」とし、「戦犯は何も戦敗国ばかりが構成するものではあるまい」と断ずる(p161)。
・日記であるが故に、N女史(後の堀田夫人、中西伶子)への熱い想いはあますことなく綴られる。互いに既婚者である身の上だが、もはや隠すことのない情熱。
・「支那事変は中国にとっては、むしろ内戦の一種であったのだ」は極論かもだが、中国共産党、中国国民党、日本軍閥党の「東方の、アジアの内戦」はわかる気がする(p207)。「恐らく日本は中国問題については永遠に失敗しつづけるであろう」(p233)
・「意味といふものが一切失われる刹那」(p103)、罪と罰、「文学の本質は道徳だ。人間の運命を描いて、道徳に達すること」(p139)、「どれだけ苦しんだかが矢張り決定するのだ、その人の重さを」(p181)、「個人以外のものは信じまい」(p202)、「本当の孤独を今知らなければ、一生知ることはないだらう」(p237)などに、堀田の人生観、文学観が垣間見える。
・本当の歴史には、神の意志ともいうべきもの、筆の細工などにはかかわらないものがあるとする(p245)。堀田の言う「デモクラシイとは、恐らくキリスト教の別の形」(p249)も興味深い。
・中国人には公正の概念がなく救いがたい、「内戦は当然である」(p271)は厳しいな。
・随筆『暗い暗い地下工作』は秀逸だ。

日記の後半には、本物の文学者になる覚悟が読み取れる。いったい俺には、この世でなすべき何があるか(p303)。「乱世」に身を置くことで、文学者としての嗅覚が研ぎ澄まされてゆく。そして「広場の孤独」が生み出されるのである。

堀田善衛上海日記 滬上天下一九四五
著者:堀田善衛、編者:紅野謙介、集英社・2008年11月発行
2018年9月9日読了
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雨に濡れた愛車も良いもんだ。
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新車で購入して2回目の法定1年点検を受けてきた。足回りをチェック。特に悪いところもなく快調、快調。
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代車は330dを用意してくれた。ディーゼルエンジンはトルクフルだが、僕にはしっくりこないなぁ。
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でも燃費はもの凄く良く、1度の給油での航続可能距離は、なんと900kmを超える!
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実はM2コンペティション(900万円)が気になるが……、まだまだ330eセレブレーション・エディションに乗るぞ。
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/m2-coupe/2018/bmw-m2-competition-at-a-glance.html
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明治四十二年の高等遊民、長井代助。この上流階級にして帝大卒三十男の気ままな日常は、本人に言わせば「世の中が悪いから」働かない(p101)。そんな彼が友人のため、実はその嫁、美千代のために金を工面してやろうと実家の父、兄、兄嫁を頼る過程で、自分のいい加減な性格が暴露されるも、本人は気にも留めない。
文豪の流麗な文章は読み進めやすく、一等国日本の上流社会の夢と現実を垣間見ることができる。

・この代助、なかなかの哲学を有しているようで、たとえば人を怒らせることについては「怒った人の顔色が、如何に不愉快にわが眼に映ずるかと云う点に於て、大切なわが姓名を傷つける打撃に外ならぬと心得ていた」とある。人の罪と罰についても同様で、これはなかなか新鮮だ(九の四)。
・経済問題の裏面に潜んでいる、夫婦の関係(八の四)。わずかな借金が人生を変えてしまう局面は古今東西変わらずか。
・美千代とその兄、そして代助。5年前の幸せな世界はすでにない。思い出と現実社会を混淆し、それを無理に溯ろうとするところに、代助の弱さがある。

「二人は孤立の儘、白百合の香の中に封じ込められた」(十四の八)のは一時のこと。自然の児になるか、意志の人になるか。夢見る男、代助の最後の決断は甘いと言わざるをえない(十四の一、十四の七)。「個人の自由と情実を豪も斟酌して呉れない器械の様な社会」と戦う覚悟(一五の一)はどこまでが本物だったのか。すべてが赤い世界に彩られても、なお、彼は自分の決断を支持しただろうか。

それから
漱石全集第六巻所収
著者:夏目金之助、岩波書店・1994年5月発行
2018年9月4日読了
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それから (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
1985-09-15

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