男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

2019年12月

氷山、海氷、氷棚、南極の生態系、特異な自然現象、昭和基地と基地を支える観測隊員、南極を冒険した過去の偉人たち……。国立極地研究所の監修によって南極観測50周年ならびに国際極年に向けて2006年に発行された本書は、7700円もした大型本だけあって、カラーページの写真は他に類を見ない迫力をもつ。また、専門分野をわかりやすくかみ砕いた解説は、興味を抱く初心者が「極地の謎」を垣間見るにあたって、しごく適当なレベルにあると思う。
・「(南極)観測を支える輸送」(p24):すでに1920年代(!)に南極での航空機輸送が行われていたとは知らなかった。
・「地球上でもっとも空気がきれいな南極」(p50):都会の空気の1/1000以下のエアロゾル粒子。おいしい空気なんだろうなぁ。
・「氷床コアは語る」(p94):過去34万年に及ぶ気候の変化を観測できるとは驚きだ。

科学的解説にとどまらず、南極探検歴史、日本の観測史と研究機関、南極探検人名録などの資料も豊富。南極に興味がわいたら、まず手にするべき一冊といえよう。

ENCYCLOPEDIA OF ANTARCTICA
南極大図鑑
監修:国立極地研究所、小学館・2006年10月発行
2019年12月25日読了

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南極大図鑑
小学館
2006-09-23


『言語都市ロンドン1861-1945』に触発され、ネット古書店で入手した1冊。
アメリカから渡英してきた日本人青年・柘植が、"少佐の家"、零落貴族の夫人が経営する家宅の二回に間借りする第一部「英京雑記」と、夫人と喧嘩別れしてからの新しい下宿を舞台とする第二部「都塵」で構成され、1914~1915年に倫敦に滞在した著者の体験談がふんだんに盛り込まれている。
・オスカー・ワイルドに関する書物の購読を強くたしなめる下宿先の女主人。フレデリック・ダグラスの従妹であるという彼女のその姿は、いかにも英国のミドルクラス的な世間体にがんじがらめにされているように柘植には感じられる。裁判所での傍聴席で偶然にも垣間見たフレデリック・ダグラス卿の姿と、近代英文学史にその名を遺すワイルドへの尊敬心から、柘植は思わず母国語で吐き出すように言い放つ「馬鹿にしてやがら」。自負心の強い国民性に根差す頑固さ(p37)。この遣り取りは味があっては興味深い。
・時節は1914年の冬である。街角にはカーキ軍服の男と喪服姿の女が増え、知人が次々と戦地へ送られる。そんな中にあって下宿先の夫人ばかりか、夫である陸軍少佐までもが、キッチナー将軍率いる英仏連合軍がベルリンへ進撃し、ドイツ皇帝を捕縛するとうそぶく。日本軍に関する知識もでたらめな少佐の姿をみて柘植は思う。「……すべて各方面のことを、それぞれ少数の優れた才能の人間に任せ、大多数の国民は安逸に金儲けを愉しみ、安心して午後五時のお茶を享受している」それを羨ましくも思い、さげすむ気もする(p68)。これ、戦前昭和の日本がそうだし、いまの日本とて同じでなかろうか。
・第二の下宿先の女将は教養のない夫人だし、下宿人も同郷の高樹を除いて、同じような人間ばかり。ある日から下宿人となったグレイ夫妻だけは、賭け事のせいで困窮するに至った元富豪だけあって品が良く、特にその夫人の「日本と日本人への憧れと称賛」は格別のものだ。最初は柘植も高樹も喜んでいたが、度を超えた親密ぶりに、距離を置くようになって……。
・「私の知って居る日本は、マダム・バタフライとミカドと、二三の浮世絵だけですもの」(p263)教養あるグレイ夫人にして、日英同盟を締結し、ロシアに勝利した日本に対しての認識がこれである。一般大衆の日本人への認識はどのようなものであったろうか。作中には、後進国の貧弱な体つきの未開人に対する侮蔑がいくつもみてとれる。おそらく著者の実体験だろうが、憤慨せざるをえない。
・英国人気質、国力を背景にした国民個々の裏付けのない自信。それに大口をたたく大衆が他国民を見下す態度が強く印象付けられた。
・ツェッペリン飛行船のロンドン市街空爆シーンは、描写が細かく迫力に満ち溢れていた(p291~)。これも体験に基づくものだろう。

「伊太利を見ないうちに、病気や爆弾で死ぬのはいやだ」(p313)結核の身をおしてフィレンツェへ旅立つ高樹(≒澤木四万吉)の姿。目的を明確にした人生は潔い。もうひとりの友人、茅野(≒郡虎彦)はロンドン市内の茶店の若い日本人女給を追いかけまわし、破綻し、海岸地方へ転居するのだが、空回りする人生も「戯曲的」なら、それで良いのではないか。
柘植は思う。同郷二人の積極的な人生に比べて自分はどうであろうか。ラスト、ロンドンを旅立つ理由が二人のそれと比べてあまりにもネガティブなものである。だが、その哀れみを自身に向けることも、畢竟、人生の糧となるのではないだろうかと、僕は柘植ならびに鬼籍の著者にそっと告げたい。

倫敦の宿
著者:水上瀧太郎、中央公論社・1935年5月発行
2019年12月15日読了
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倫敦の宿 (1955年) (角川文庫)
水上 滝太郎
角川書店
1955


Carl Zeiss Touit 2.8/12とα6400の組み合わせは良好だが、広角側が換算18mmと少し物足りない。次の年末年始の旅行先では、さらなる広角が不可欠となる。それに、最近買ったα7R4用の6100万画素をぜひ活かしたい……。
というわけで、α7RⅣ用としてSONY広角ズームレンズSEL1224G(12-24mm F4 OSS)を買いました。
・出目金レンズは気に入りました。だけどフィルターを取り付けられないから慎重に扱わないと。
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・フード一体型のレンズに、巨大なレンズキャップをかぶせる形なんだな。
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・説明書と保証書、いつもの収納袋が附属。
・α7RⅣに装着すると合計質量1,060グラム。ミラーレスの機動力は損なわれない。

超広角12mm……。軽く撮影しただけでも18mmとの差は明らか。この素晴らしい迫力ある画角に惹き込まれそうです。
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実は島根県へは訪れたことがない。世界遺産となった石見銀山に、出雲大社、美しい日本庭園を誇る足立美術館へ行ってみたいが、特に銀山はアクセスが厄介だろうな……。ということで、今回はツアー参加を選びました。バス4時間乗車はきつかった……。

【参考データ】
交通
2019/11/23土
 新幹線こだま733号 西明石8:02発~岡山8:49着
2019/11/24日
 新幹線こだま754号 岡山19:38発~西明石21:45着

宿泊先
 2019/11/23土 Royal Hotel大山(1泊)

■足立美術館へ

2019年11月23日(土)

8時49分、新幹線こだま号は遅れなく岡山駅に到着。こだま号指定席の2-2列シートは、よけいなフットレストがない分、のぞみ号グリーン車よりも快適だと思う。
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旅行会社の添乗員さんが岡山駅のホームから駅構内へツアー参加者を誘う。この添乗員さんはなんと新入社員だが、しっかりした統率力と礼儀とユーモアで、ツアーを大成功に導いてくれた。
今回のツアー参加者は40名。まぁ土日だから多いわな。
岡山駅を出てツアーバスに乗車。9:20に出発。途中、蒜山サービスエリアで小休止。
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紅葉は終わっているのかな?
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安来ICを下りて、12時ちょうどに足立美術館に到着した。
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天気は快晴。スカイブルーのもと「日本庭園ランキング」トップの見事な庭園を堪能させてもらった。
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この光景が一番のお気に入り。
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この足立美術館は庭園だけでなく、収蔵する美術品もなかなかのもの。マークしていなかった現代日本画に数々の素晴らしい作品が見られたことは、予想外の収穫だった。

14:05、名画と名園を堪能し、美術館を後にした。

■国宝 松江城
姫路城や大阪城に比べるとこじんまりした城だが、現存する12天守のうちの一つだという。
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ああ、この天井、好きだなぁ。
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見上げてみる。広角レンズは便利だ。
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■小泉八雲旧住居

ラフカディオ・ハーンの足跡を感じられたかな?
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あっというまに2時間が経過した。バスへ戻ります。
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安いツアーのデメリット……それはホテルと夕食に尽きる。
なにゆえ、遠い遠い大山までいかなければならないのか……。

まぁ、ホテルの部屋は広々快適だったから良しとしよう。
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夕食はビュッフェ。たくさん食べすぎた。
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■出雲大社

2019年11月24日(日)

5時に起床、天気は晴れ。窓外の光景はなかなかのもの。朝食はまたバイキングか……。
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7:45にホテルを出発、一路西へ向かう。
9:05、出雲大社へ到着。そう、ここに来たかったんだ!
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「さざれ石」と言われても、良く知らないのですが。
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バスの駐車場の横が「神楽殿」だ。迫力あります。
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正殿。伊勢神宮の内宮を思い出すな。
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神楽殿で集団での昇殿祈祷を行ってもらった。太鼓と笛、踊る巫女さん。古風な祈祷文に混じる現代人の名前がとってもシュールだ。僕は「神さん、よろしく」とお気楽気分。
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白ウサギが多い。
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松の参道は良い感じだ。
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■世界遺産、石見銀山を行く

13:15、石見銀山へ到着。ここから「龍源寺間歩・坑道」コースと「大森の町並み」コースの二手に分かれて進むのだ。
僕は「龍源寺間歩・坑道」コースを選択したが、これが結構きつかったりする。
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正直、これが世界遺産? と思わせる何もないような山道をゆっくり進む。
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石見銀山では専門のガイドさんが附いてくれた。その解説の上手さ、博学さには脱帽だが、「竹田城などではない。石見銀山こそ東洋のマチュピチュだ」と力説していたのが引っ掛かったなぁ。

こんな小規模の間歩(まぶ、つまり坑道)が無数に存在する。
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山道を歩くこと50分、「龍源寺間歩」に到着。
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あれ? 思ったよりも規模が小さい。生野銀山のようなイメージだったのに。
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これが銀の岩塊だそうな。
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150メートルの坑道はすぐに出口だ……。
猫たち曰く「ごくろうさん」
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自然は良いなぁ。
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15:45、石見銀山の観光は終了。これより岡山駅へ向かう……なんと、4時間の道のり……。
岡山駅で新幹線こだま号に乗車。相生駅での通過待ちはどうにかならないのかなぁ?
西明石駅で降車。添乗員さんの丁寧な挨拶に見送られ、家路を行く。


■ツアーを終えて
バス主体のツアーはきつかった……。復路の4時間走行は、ないな。
そして団体ツアーは添乗員とホテルと食事によって左右される。今回はホテルの場所と食事はいまいちだったが、クラブツーリズムの添乗員・藤岡さんには120点をさしあげたいと思う。

最後まで拙文にお付き合いくださり、ありがとうございました。



深みのあるブルーと冴え渡るゴールド。これほどまでに美しいPCがかつてこの世に存在しただろうか。
VAIO株式会社5周年記念モデル、VAIO SX14"勝色特別仕様"である。
Facebookの広告に誘導されて「発見」してしまい、2日間悩んだ末に購入に踏み切った(7月30日のお話)。ソニーストアで329,508円なり。
カスタマイズ仕様なのに、届くまでわずか4日。箱を開けるのがもったいない気がするなぁ。
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勝色カーボン天板。この、見る角度によって表情を変える深みのある藍色!
そして、"勝色"にいっそうの華を添える"黄金色"のVAIOロゴプレートと背面のライン! この美しさといったら、もう……ね。
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パームレストも"勝色"だ。「自然藍を含んだ染料を用いてアルマイト染色」とある。素晴らしいぞ。
メモリは8GBに抑えたが、CPUは最新の第8世代CORE i7。
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SSDは1TBを実装した。←ここ重要
それにしてもだ。14インチLCDに十分なインタフェースポートを装備して約1kgの軽量さとは!
だが音楽だけはヘッドホンかイヤホンに頼らざるをえない。これはVAIOの宿命……。
VAIOはSONY時代から数えてこれで5台目だが、満足度120%! 旅行先にも持ち歩こう。
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10月にα6400に買い換えたばかりなのに、「本当にAPS-Cカメラでいいの?」と日々、脳内で悪魔のささやきが……。暗所での撮影は、以前の愛機NIKON P7800に分があるような気がして……(錯覚? 素人なのに生意気ですね。)

α7RⅣ(ILCE-7RM4)を買ってしまいました! 三途の川、もとい、ルビコン川を渡った心境です。お値段39万5千円!

標準ズームレンズはSEL2470Zではテレ端が不足と判断し(財布の中も覗いて)、SEL24105Gにしました(14万8千円)。
どちらもソニーストアでの購入です。
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α6000、α6400用に買った次の機材がそのまま流用できるのも、購入を後押ししたしだい。
・ショットガンマイクロフォン SONY ECM-B1M:α7R4とデジタル接続できる!
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・望遠ズームレンズSONY SEL70350G:これはAPS-Cモードで使用だな。
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・ストロボ Metz AF-2:要りますよね。
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6100万画素……。初心者の僕に使いこなせるかどうかわかりませんが、これからの「相棒」にします。
なにより、防塵・防滴なのも心強いし。

そして逡巡したあげく、1インチセンサー搭載カメラDSC-RX0M2も同時購入したのです(ソニーストアで83千円)。
フィルムケースサイズ・完全防水仕様なので、4K画質で海中を撮影しようと思います。
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王道の高級一眼カメラと、SONYらしいトンがったカメラ、両方が「相棒」になれば良いなぁ。
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次の年末年始の海外旅行先はおいそれと行ける場所ではないので、最高画質でしっかりと記録に残します。
さぁ待ってろよ、氷とペンギンとクジラの広大な世界、宇宙よりも遠い場所!














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