■2020年1月1日(水) 令和二年の元旦だ

4時30分起床。船室の窓から外を見ると、明らかに寒気のただなかに入ったような気配を感じる。+4℃圏から+2℃圏へ移動したことによるものだろう。南極の厳しい環境の第一歩か。

今日はいよいよ南極へ上陸するのだ。期待に胸が高まるぞ。

9時からBBCビデオ「Frozen Planet」を鑑賞。
10時30分から「A Hearty New Years Brunch」だ。生きているうちにおいしいものをたんと食わねば。


■友よ、あれが南極だ!(正確にはサウスシェトランド諸島だが。)
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12時、サウスシェトランド諸島が見え始めた。船内は色めき立つ。
ああ……、いよいよやってきたぞ。
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南極に近づくほかの船舶も見ることができた。向こうも同じようなことを考えているんだろうなぁ。
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12時30分より「Antarctica : Early Explorers」の講義。
すみません。船外の様子が気になって、講義がちっとも頭に入りませんでした。

船はちょうど、グリーンウィッチ島とロバート島の間を航行しているとわかる。
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14時から「南極キャンプ」の説明会。
(残念ながら天候の都合により、キャンプは中止となってしまった。)

17時30分、「Recap & Briefing」で、いよいよ南極上陸の説明が行われる。
・服装は完全防水・防寒装備で!
・IDカード(南極上陸・帰還を管理)を左腕の透明ポケットに収納
・外気温は3℃と比較的暖かい。


■南極へ上陸!

これから上陸するAitcho Islandsはゼンツーペンギンの営巣地として有名だ。ゾウアザラシもいるそうで、期待に胸が高まります。

で、最初から大失敗!
「19時30分にゾディアックボート乗船場で待機」を、「19時30分に部屋で待機」と勘違いしてしまったのだ。
皆を待たせるはめに……情けなや。

気を取り直して、出発です。
おや、雨が降っているぞ。カメラは大丈夫なのか? いちおう防水仕様とはいえ、リュックの中身は大丈夫なのか?
……いちいち気にしてなどいられない。

ゾディアック・ボート。数か国の海軍陸戦隊でも活用される強化ゴムボートで、少々の破損にもびくともしない頼もしい船なんです。
『Ocean Adventurer号』の舷側から階段をつたってボートに乗船し、すぐに着座! リュックはおろして足の間へ! われらがアムンゼンチームの10名全員と、操船するエクスペディション・スタッフの息もピッタリ(のはず)。
ボートは一路、Aitcho Islandsへ向けて高速で発進。船尾のYAMAHAエンジンがうなりを上げ、船首の水しぶきが高々と舞います。

当然のことながら、南極には港も桟橋もはしけもない。ゾディアック・ボートを海岸線ぎりぎりまでひきつけて、先発隊が引っ張っている間に下船します。おしりを支点に足を片方ずつ回転させて降りる。なるほど、合理的。

Aitcho Islandsに上陸!
雨天なのは残念だが、記念すべき南極上陸の第一歩だ!
日本から遥か18,000km、飛行機と船で片道70時間、宇宙よりも遠い場所!

濡れた土の上にペンギンがうじゃうじゃいるぞ!
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ゼンツーペンギンは数多し。
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ヒゲペンギンも少ないが棲息。
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営巣地だから、卵を温める母親ペンギン、生まれたばかりの赤ちゃんペンギンの姿も見える。
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あれは……ゾウアザラシだな。
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ペンギンの大群に遭遇して興奮するのは、まだ序の口。これからもっと素晴らしい体験が待っているのでした。
まぁ、元旦に上陸できたことは行幸。雨さえ降っていなければなぁ。

21時30分ごろ、『Ocean Adventurer号』に帰還。
このあたりに来ると、船のWi-Fiもほとんど通じなくなる。時を急ぐ現代文明から遮断された"静"の世界に突入か。それも良し!

25時就寝。


■2020年1月2日(木)

6時30分起床。窓の外は氷山がゴロゴロと、すごいことになっている。
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お正月だから、御神酒(180ml)とミカンのコラボでどうだ!
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7時30分から朝食。もりもり食べます。
なになに、掲示板によると本日の予定は
・Cierva Coveでのゾディアック・クルージング
・Mikkelsen Harbourへの上陸
とある。氷塊がゴロゴロ? 実に楽しみだ。


■Cierva Coveでのゾディアック・クルージング
9時25分、午前の部がはじまる。今回はクルージングだけだからしっかりと厚着した。
自然がいかに人智を超えた造形物を創作するのかを、このクルーズでしかと見届けることになる。

Cierva Coveはこんな感じの海。氷棚は奇妙な形に削られ、無数の氷塊が浮かんでいます。
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なにやら洞窟状のものが見えてきた。
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逆さ富士ならぬ、逆さ氷山? シャーベットが食べたくなってきました。
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長年にわたって風と波に削られてきた、これらも氷山の一種だ。
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ゾディアック・ボートと比べると大きさがよくわかる。
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安眠を妨げてすみません。
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ペンギン1羽で氷塊に乗り、何を考えているのだろうか……。
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そしてダイブした!
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彼らの泳ぎは超一流です。
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午前の部は終了、ゾディアックボートは母船に帰還します。
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『Ocean Adventurer号』は静かに移動を開始、次の目的地へ向かいます。
で、えらく雪が降ってきたぞ。


■Mikkelsen Harbourへの上陸

15時20分、ゾディアック・ボートは奇妙な場所に上陸した。
この地は元々はなんであったか? そもそも、南極の地を切り開いたのは誰であったのか?
朽ち果てた捕鯨船と、陸上で人の手によって「解体」された無数のクジラの骨が、すべてを語ります。
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くじらの背骨
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ペンギンたちは元気です。
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アザラシはいつも眠たそう。
氷山とペンギン。彼らにとってはあって当たり前のものなんでしょうね。
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ここにはアルゼンチンの基地があります。誰も承認しない領有権主張のための、みたいな? ペンギンにとっては「知るか!」でしょうね。
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何たそがれてるのかな?
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17時50分に母船に帰還。

結局、悪天候のため、今夜のキャンプは延期となってしまった。
(最終的にはキャンセルとなる。)
その代わりに、船の周囲を「遊ぶ」くじらの大群と遭遇することに!




雨に打たれて、2回目のシャワーを浴びることに。でもいいや!
25時55分就寝

明日はいよいよ「南極大陸」に上陸です。