約2300点にもおよぶコレクションから厳選されたフェルメール、レンブラント、モネ、ルノワールなど、61点の作品すべてが日本初公開。『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』には期待大なわけですが、76ページにもおよぶ芸術新潮の特集にも期待が持てます。
他国のように「王室コレクション」を開放したのではなく、寄贈作品をベースに最初から西洋美術史の教育・啓蒙を目的として設立されたナショナル・ギャラリー。収蔵作品の鑑賞=西洋美術の神髄に触れる試みを本誌上で追体験できます。
・「奇跡の展覧会を最大限に味わうべく、ギャラリーの魅力と名作を強力ナビゲート」(p11)とあり、宗教画・神話画、風俗画、肖像画、風景画、花の絵の5章に分け、『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』を監修された川瀬佑介さんの詳しい解説が披露される。『聖えみでぃうすを伴う受胎告知』徹底図解がすごすぎます。
・レンブラント(34歳、63歳)とマリー・エリザベート・ルイーズの自画像も良いです。
・ヤマザキマリ×池上英洋のマニアック鑑賞術も面白いです。ダ・ヴィンチの『岩窟の聖母』の秘密……。本当、味わい尽くさないと!

2014年と2017年にナショナル・ギャラリーを訪れ、ゴッホの鮮烈な『ひまわり』に対面しました。あと、巨大かつ凄まじいまでのオーラを放つ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』は必見です。あの衝撃を日本でふたたび味わえると思うと、いまから楽しみでなりません。
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