天才医学者の復讐劇。それは未曽有のバイオテロとなって全世界を襲う。世界を救う条件は、息子を死に追いやった旧1年B組の生徒23人の「命」。億単位の懸賞金がかけられた彼らのサバイバルは過酷なものであり……たった一人の少年の懸命な行動が、ヒトのあり方をわれわれに問いかける。
・登場人物の電話、ビデオメッセージ、確保された容疑者の語り、交渉者。場面を変えて話は進められる。
・神の左手と悪魔の右手を持った人外の存在(p237)。天才的な犯罪者に対峙するに必要な資質とは?
・九千九百九十九人のヨブとは異なる「彼」の選択。タイトルを見事に回収する最終章には唸らされた。

次を知りたくなるダイナミックな構想といい、一気に読ませてくれるスピーディーな展開といい、絶品だ。ここしばらく体験していなかった純粋な物語の楽しみを堪能できた。

たとえ、世界に背いても
著者:神谷一心、講談社・2015年5月発行
2020年6月7日読了
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たとえ、世界に背いても
神谷一心
講談社
2018-05-18