2002年3月から日本政府全権特命の軍縮大使として、ジュネーブに赴任し、全世界を相手に「平和を頑なに愛する、そして過去、核兵器の被害に遭い、核軍縮を主張する資格のある日本」の立場から、強力に軍備縮小をリードした2年間が記録されます。
特に、世界中に氾濫し、戦争終了後も人手に残り、災いを生み続ける拳銃や小銃、すなわち、事実上の大量破壊兵器である「小型武器」に関する軍縮こそが急務であり、国際社会を構成する各国政府の責任であることが、情念を込めて明らかにされます。

特筆すべきは、硬派なエリート学者(エール大学博士!)の視点からだけでなく、女性、そして母親の強く穏やかな視点から、世界の周辺、地域の周辺、その周辺に追いやられた女性と子供の立場に注目し、彼らを「非平和」から救済することこそ、本当の平和であることを強く訴えていることです。政治・軍事のジャンルでありながら、その深い包容力の擁する筆致により、暖かな読後感が残ります。
今年読んだ本の中でも、個人的には最大の収穫でした。

もうすぐ衆議院議員ですね! 週刊誌ではいろいろと書かれていますが、過去に読んだ著書(ポスト覇権システムと日本の選択、戦争と平和)の内容といい、過去のコラムといい、この人こそ、国会議員に適任だと信じていますし、期待しているのです。
いずれは「大臣」の立場から思う存分、持てる力を発揮していただきたいと思います!

戦略的平和思考 戦場から議場へ
著者:猪口邦子、2004年9月、NTT出版発行
2005年9月2日読了