この映画、近年の「無理矢理こじつけたような右煽動おぼっちゃまマンガ」路線に便乗したような、イヤらしい意図が感じられます。
また、「目の肥えた映画人」ではなく、1stガンダム世代か、その下の20歳代がターゲットなんでしょうね。

まぁ、その辺りをまったく考えないで観ると、やはり戦争物! 男には実に面白いですね。
(女性にはいまひとつかもしれませんね。恋愛要素も「おまけ」みたいなものだし。)
キャスティングも絶妙です。艦長を演じる役所広司もハマリ役ですが、柳葉敏郎演じる副長が良いですね! 「ついて行きます!」と言いたくなります。

それでも、つっこまずにいられないなァ。
1.原爆
どうして投下された午後に、海軍予備役士官(艦長ね)だけでなく、回天搭乗要員の一般兵まで「原子爆弾」の名を知っているのか?
米軍内でも極秘開発された兵器であり、当時の日本では一部を除いて「新型爆弾が投下された。破壊規模は不明」レベルの認識だったはず。
(実態と把握するため、わざわざ東京から幹部が視察に飛んだ、と記憶しています。)

2.女
ナチスの取得した「被験体」にもかかわらず、どうしてあのヘアスタイルなのか? 髪も立派な資源なんで、本当は丸坊主のはずだ!

どうしてあのボディなのか? ろくに食事も与えられなかっただろうから、もっとガリガリにやせこけていたはず。

ナチス・ドイツの囚人であるなら、あんな綺麗で健康な美女でいられるハズがないことは、ホロコーストの文献や映画で十分に認識されるはずなのですが。
(それじゃ、エンターテイメントに不足か。仕方がないですね……)

3.艦砲
旋回式主砲塔を有する最新鋭の潜水艦。それは良いのですが、あの主砲の「蓋」は、どうやって開閉されるのでしょうか?
劇中では二本同時に開放されていましたが、砲身の外部にそれらしき機械・電気装置は見あたりません。不思議だ。

4.魚雷
ローレライがあるとはいえ、どうして百発百中なのか? それもスクリューにピンポイント! ……命中率は五〇%に満たなかったはず。

もっと突っ込みたいのですが、やめておこう。

なお、原作者(福井晴敏「終戦のローレライ」)によれば、この作品はガンダムを意識して創られたそうです。大人の始めた戦いに引きずり込まれる子供たち。物語を通じて、一人の少年が大きく成長する姿を描く、等々。なるほどなぁ。
(引用:こっそりと買ったガンダムエース(角川書店刊))