戦後例を見ないほど強力・強大となった会社に対し、弱体化したサラリーマンは失業率5%を意識しつつ、ただ黙々と働き続ける……。
過酷な会社社会と、それでも生き延びようとするサラリーマンの姿を描き、ますます蔓延する社内イジメ、パワハラ、うつ病、リストラ解雇への処方箋が示されます。
さまざまな事例のうち、銀行出身の役員や外資系コンサルタント会社の好きなようにされ、最後は破綻した大手老舗食品商社の実例が印象に残りました。
経営トップのあり方ひとつで会社は簡単に沈むこと、そして個人は、常に最悪の事態を想定しておく必要があると言うことですね。

「まだまだ自分の職場は恵まれているなぁ。いちおう大企業だし」と思いつつ、いつ何時零落するかわからない不安感は払拭できません。

最後に「時間=命」という当たり前のことを再認識させてくれたことは、本書の最大の収穫でした。

サラリーマン残酷物語 起業か、転職か、居残るか
著者:風樹茂、中公新書クラレ、2004年7月発行
2006年3月18日読了