イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、アラブ諸国、中国、韓国で日本に関する事項がどう報道され、それがどう影響を及ぼすのか?

イラク戦争の事例。われわれ日本人は「自衛隊をイラクへ派遣はしたが、それでもアメリカとは違う」と思いがちだ。だが小泉首相とブッシュ大統領がクロフォード牧場で握手して微笑む写真がワシントンポストとニューヨークタイムズにデカデカと掲載されたことで、「日本とアメリカは一蓮托生」だと世界は認識した。無論、テロリスト側も。その帰結が外交官二名の殺害であった。

ノー・モア・ヒロシマの事例。イスラエルと対立を続けるアラブ世界では、ヒロシマ・ナガサキの意味をこうとらえている。「二度と過ちを繰り返しません」とは「二度と核攻撃を受けないよう、われわれは力を蓄えなければならない。そうだ、核武装しなければならない」
1998年に核実験に成功したパキスタン。当時のシャリフ首相はこう言った。
「ヒロシマとナガサキに起こったことは、日本が核兵器を保有していれば回避できたのだ」「だから(パキスタンの)核武装は当然の選択だ」
インド=パキスタンが一戦交えたカルギル紛争でもNPOと学生団体が「ヒロシマ精神による平和」を訴えたが、同じように受け取られたのだろう。

結局、われわれ自身が積極的に「正しい情報」を提供しないと、思わぬ方向へ話が進むんですね。

日本はどう報じられているか
著者:石澤靖治、池内恵、土生修一、他、講談社、2004年1月発行
2006年4月9日読了