内戦は「当該国の問題」であり、「勝敗が決するまで好きにやらせたら良い」とし、「内戦の原因は民族的・宗教的なものだ」とする姿勢が、過去40年間に渡って内戦を無視してきた誤解の元であり、実は自分たちの経済に密接していること、内戦の根本原因と地域的な格差、その具体的な防止策が、世界銀行(国際復興開発銀行)の視点から説かれます。

一国の内戦。それは当事国のインフラ破壊、国民の大量死、経済の軍備偏重を来すだけでなく、周辺地域国への難民の放出、マラリアとAIDSの蔓延を引き起こす。さらにグローバルな影響として、先進国へ麻薬とAIDSを蔓延させ、テロリズムを引き起こす。
アフガニスタンにしても、1990年以降は内戦に真剣に介入したとはいえず、放置した結果、非合法地帯が生まれてテロリストが育ち、その因果が例の九一一であったと言えます。

内戦そのものを抑制し、より平和な世界へ向けての提言としては素晴らしいものがあります。ですが、いわゆる悪政に苦しむ非民主主義政体をどうするのかについては、一言も触れられていません。「World Bank/IRDBの所掌外だ」と言われれば、それまでですが……。

BREAKING THE CONFLICT TRAP :
CIVIL WAR AND DEVELOPMENT POLICY
世界銀行政策研究レポート
戦乱下の開発政策
著者:世界銀行、田村勝省、シュプリンガー・フェアラーク東京
2004年8月発行、2006年7月23日読了