行政、政治、産業、マスコミ報道、一般的な国民意識等の点から、自衛隊と国防の問題点が提起されます。

諸外国の軍隊と自衛隊の最大の違いとは何か? 前者が六法の範囲外である軍隊法によって独立した存在であるのに対し、自衛隊は行政機関のひとつにすぎないことがそれであり、有事の際に多大な制約が生じることが示される。それが「超法規的行動」を自衛隊が選択する危険性も起こりうる……。
本書は1999年の出版です。有事法制が制定されたから、少しは改善されたのでしょうか。

また、外務省、財務省に代表される行政機関の問題点が安全保障の点から指摘され、喜劇とも言える状況が納税者の知らないところで展開されていることが明らかにされます。

真の平和を望む者は、政治と軍事に精通しなければならない。なるほど、納得です。

最期に、日本文化の外国への浸透に関しても、もはや現代日本人と縁のないフジヤマ・ゲイシャ・カブキではなく、TVドラマ、アニメ・マンガこそクローズアップするべきであり、それが親日外国人を増やし、安全保障に貢献することが明確にされます。
これには強く賛同します。私事ですが、1993年頃に韓国へ出張した際、当地のゲーム専門誌(ハングルだから読めない)に日本の格闘ゲームやアニメがでかでかと取り上げられて、日本語講座が連載されていることが印象に残りました。

不思議の国の自衛隊 誰がための自衛隊なのか
著者:清水信一、KKベストセラーズ、1999年12月発行
2006年8月12日読了