著者には珍しく勧善懲悪ありの企業ミステリー。

13歳。多感な年代の仲良し3人組の25年後。大手広告代理店に勤める営業マンの主人公、大手電機メーカ御曹司と結婚した元アイドル歌手、そして「主人公と性格が似ている様は、まるで二連星のシリウスのよう」と揶揄された「勝哉」……。
世には明るい話題なく、大手都銀による貸し剥がし、大手製造業による中小企業いじめ等を背景に、中島みゆき「地上の星」が登場します。

キーワードは「思い出、覚悟を決めた青年」そして「潔さ」でしょうか。

著者はかつて大手広告代理店に勤務していただけあって、勤務先の描写がリアルです。また、著者躍進の作品となった「テロリストのパラソル」のキーパーソンも登場し、思わずニヤリとさせられます。

シリウスへの道
著者:藤原伊織、文藝春秋・2005年6月発行
2006年9月10日読了