ネット技術の発展とインターネットの普及がコンテンツ産業に与えたインパクトの大きさ、旧弊なシステムを護ろうとする業界とその破綻。異業種と海外資本によるシステムの変革の強要。20世紀末の金融・流通・第二次産業の激変に続き、いままさに変革期にあるコンテンツ産業の問題点と、その展望が示される。ここでも行政の「何も考えずにアメリカを真似る」姿勢が、やがて業界を破綻に追い込むことであろうことが明確にされる。
黎明期から一変したテレビゲーム業界、音楽業界の供給側と販売側の温度差、アニメ業界の"歪み"と日米の取り組み方の格差、等々。華やかな世界観とはほど遠い実態は、「どの業界も大変だな」と思わせる。
それにしても、中古CD、ブックオフ、TUTAYAといった市民権を得た産業と違い、ほとんど「野放し」にされたネット上の闇コンテンツの世界の問題点は、一考に値する。本書を読んだ以上、消費者の一人として、なるべくクリエータの先行きを細めるような行動は慎みたいと思う。

音楽・ゲーム・アニメ コンテンツ消滅
著者:小林雅一、光文社・2004年11月発行
2007年4月7日読了