インターネットの出現により、日常生活が変わると言われて久しい。1998年頃まではネットはそれまでの常識の延長上にあり、新聞、テレビなど既存媒体に併存するものとして扱われてきた。
それが突如、変わった。グーグル、ウィキペディア、ユーチューブが変えたのだ。
マイクロソフトがそれまでのコンピュータ社会を変えたように、何でもありの表示画面から選択する時代から「必要な情報だけを提供する」グーグルが、ネット社会への接し方を変えた。
大学教授やエリートメディア従事者等が「上から与えていた」権威づくしのエンサイクロペディアから「参加者みんなで情報を出し合い、修正し、より正確な内容へ修正された」ウィキペディアが、百科全書への取り組み方を変えた。
そして2006年に出現したユーチューブは、既存メディアが提供するヴィデオ情報に頼らない、万人が欲する映像情報への接し方を変えた。
要は、従来のエスタブリッシュメントの既得権益構造が崩壊しつつあるのだ。
大学教授が学位と序列を支配する。あるいはその教授は、米国のように画期的な発明ではなく、点数化された論文の数によって評価される学者の世界に依存する。経済界では、旧来の既得権益を手放さない企業が新参者を排除し、あるいは談合体制の内部に取り入れてきた。これからネット社会が急速に進化すると、これまで常識とされてきた世界は崩壊に向かう。
急進的とも思えるが、テクノロジーが大衆の要望をかなえてきた現実を考えると、そのように変わってゆくのだろう。

フューチャリスト宣言
著者:梅田望夫、茂木健一郎、ちくま新書・2007年5月発行
2007年5月18日読了