カンボジアPKOへの参加を機に、その任務が変貌した自衛隊。
環境の変化がストレスを生みやすくしたのか、借金といじめを苦にしての自殺は後を絶たず、年に90名もの隊員が自らの命を絶っている。本書は、その背景を探り、自己完結型=閉鎖組織の闇の一端を明らかにする。

モザンビークでの輸送調整(Movement Control)任務のレポートが興味深かった。
危険を承知でPKOへの参加を希望する隊員の心理。それは、自分を犠牲にして過酷な任務を体験してこそ、自衛官として胸を張れるとの思いがあるからであり、戦地が急速に復興する様子を見て感じる貢献への手応えが精神的な支えとなる、か。なるほど。

悩める自衛官 自殺者急増の内幕
著者:三宅勝久、花伝社・2004年9月発行
2008年6月18日読了