僕の胸に秘めている言葉がある。
「信ずるは良心、頼るは自分のみ」
誰が言ったか書いたのか、はたまた自分が編み出したのか。いまとなっては分からないが、本作を読んでふと、思い出した。

さて、何度も読んだはずの芥川の超有名作品だ。先日の神戸新聞の恩田睦さんのインタビュー記事で引用されていたので、書棚から引っ張り出してきた。

ひとの本質を抉る短編。最もらしく聞こえる他人の言葉ほど信用ならないものはない。
最後のよりどころを意識しつつ、生きていかねばならぬ。そう言うことだな。

藪の中 芥川龍之介全集第八巻所収
著者:芥川龍之介、岩波書店・1996年6月発行
2008年10月13日読了