タイトルと、南伸坊さんの装画に引かれて購入した。
冒頭から語られるオモシロ人生。自分では認めたくない「失恋による体の変調」の治療のために病院を転々とし、最後にたどり着いた漢方医院。そこの若い先生に憧れを抱き、恋なのか、そうでないのか。31歳アパート独り暮らしの女性脚本家の心は揺れる。

いつもの飲み仲間。自分だけじゃない。ひと癖もふた癖もある彼らにも、深刻な悩みがあることに気づく。新婚半年での離婚、ロマン欠乏症、睡眠薬の大量飲用…。
少し前に"アラフォー"世代が話題となったが、この本は30代の女性の悩みと成長がギュッッと詰められている。

生きる目的ではなく、"真の"生きる目的。それをおぼろげながら理解した主人公は、新たな失恋にも動じない女になった……。

日頃接することのない東洋医学の知識も垣間見れた。韓国の大河ドラマ「ホジュン」の中に出てきた薬草や"気"にまつわるエピソードもあり、それがストーリーに上手くちりばめられ、実に爽快な読後感を味わえた。
第28回すばる文学賞受賞作か、納得。

漢方小説
著者:中島たい子、集英社・2005年1月発行
2008年11月15日読了