2008年9月15日、米国リーマンブラザーズの破綻が報じられたとき、現在のような経済・社会状況になるとは予想もしなかった。(トヨタ、ソニーが大赤字に陥るなんて。)
アメリカ発の大経済危機。本書はその犯人を明確にし、今後の世界を予想する。

"新興国経済の力強い成長"、"BRIC's投資の薔薇色の未来"! ゴールドマン・サックスの宣伝に騙された一人として(その損失額50万円以上!)、欧米金融の闇の部分を興味深く読んだ。

そう、ゴールドマン・サックスこそ当事者。そこの出身にしてブッシュ政権末期、絶大な権力を縦横無尽に駆使したポールソン財務長官こそ第一の戦犯だ。
ブッシュJr.率いるチームこそ諸悪の根源だ。思えばイラク戦争、金融危機と、世界中に災いを振りまいた最悪の政権として記憶されるんだろうな。

福田前総理の辞任劇の裏事情。米国の圧力に屈した政府を統制し、国民には言い訳せず。これが真実なら、潔いことだ。

それにしても、だ。"失われた10年"を言い訳に変革を先送りし、ヌクヌクと現状維持を続けたきた"われわれ"。その間に冷戦終結期に辛酸を舐めたロシアと中共(ATOKで変換されないぞ!)が着実に国力を上げ、2010年代に日本を軽く追い抜き、アメリカをも凌駕しようかという現実に、ただ茫然自失するしかないのか。

カナダ、メキシコと一体化した米国(北米連合国!)が、ロシア、中国、インド、EUと水面下で覇権を争う時代がすぐそこにきている、か。(その通貨もWEBで公開され、中国に運び込まれ、ロシアが抗議した?)
第一次世界大戦前夜の"Balance of Power"ふたたび。

岩倉使節団がドイツ訪問の際にビスマルクが語ったとされる言葉を思い出した。
「国際社会においては、大国は自らに都合の良いときは国際法を遵守し、そうでないときは軍事力に訴える。主要国(?うろおぼえ)が拮抗する軍事力を保持してこそ、国際法が護られる」
結局はこうなるのか。理想を持ちつつ"次の現実"を予想し、それに備えることの重要さ。で、日本国をアテにできるのか? そうでないとしたら……?

The Next World Order
「大恐慌」以降の世界 多極化かアメリカの復活か
著者:浜田和幸、光文社・2008年11月発行
2009年1月23日読了