原因不明の不治の病。余命1ヶ月を宣告された50歳のアンブロウズ。
アルファベットの特別の想いのある彼は、AからZまで、思い出の地を巡る旅を始める。
Amsterdam アムステルダム、Berlin ベルリン、Chartres シャルトル……。
除々に変調をきたす体。まとまらなくなる思考。

途中、退屈さを感じた場面の直後は、一気読みだ。
親友、思い入れのある人たち、そして我が家。
男の親友同士の別れの場面には、グッときたゾ。

Kを過ぎるとハンカチ必携。

そして、Z。
妻の愛読書「嵐が丘」。その古本に挟まれた紙切れ。旅の最終目的地だったZanzibar ザンジバルを棒線で消し、その上に力強い筆跡で書き加えられた、ただ一つの言葉。
妻へ遺した、最後の言葉。それは、アンブロウズがたどり着いた最終目的地……。

自宅で静かに読むのに最適な一冊。涙腺が決壊しました。

The End of the Alphabet
最期の旅、きみへの道
著者:C・S・リチャードソン、青木千鶴(訳)、早川書房・2008年8月発行
2009年3月20日読了