交通事故、否、文字通り"交通殺人事件"の被害者の声なき声はわれわれには届かないが、遺された遺族の悲痛な叫びと強いメッセージは、拡められてしかるべき。

自動車は走る鉄の塊であり、容易に人の命を奪う。それだけでなく、遺された遺族の人生をも奪う。収められた18家族の物語。あるはずだった幸せを破壊され、"その後"の色彩の喪失した時間が、読む者に重くのしかかる。
塩井浩平さんの挿画が、本文のエピソードをより感慨深げにする。

僕もひとりのドライバーとして、常に注意して運転することを、本書を読了しての決意とする。


それにしても美麗な装幀は、用紙の質感を含め、これぞ本の醍醐味! と言える。電子書籍にはマネのできないアドバンテージだな。


遺品、か。
今年の十月は、亡き父の十三回忌となる。
しまったままの父の持ち物を出してみよう。
もう一度、キチンと目に焼き付け、整理することにしよう。

遺品 あなたを失った代わりに
著者:柳原三佳、晶文社・2011年8月発行
2011年8月27日読了