「一俵の重み」「医は……」「絹の道」「プライド」「暴言大臣」「ミツバチが消えた夏」の5編を収録する著者初の短編集であり、組織の掟や上層部の思惑、個人の力ではどうにもできない潮流に翻弄されながらも、自己の仕事に誇りと持ち、あるいは疑問を抱きながらも真っ当に生きようとする男女の物語は、どれも骨太い。

「暴言大臣」のラストの展開は少し性急のようだが、人と組織と友情の裏の裏を垣間見るようで面白い。

「ミツバチが消えた夏」に表現される"強者の論理"こそ、いにしえから人類社会を支配してきたものだし、キーワードだと思う。大枠、すなわち、近代に始まった帝国主義はカタチを変えて続くし、これから変わらない。

人生の意義付けは人それぞれだし、どれが正しいわけでもない。信念を持ち続ける、そのことが強さを生み出すと思う。
意識の持ち方ひとつだが、"著者あとがき"にあるように、闘う姿勢と責任は忘れずにいたい。

プライド
著者:真山仁、新潮社・2010年3月発行
2011年12月20日読了