世界中の主要都市で近代的な生活文化が花ひらいた1920年代、東京だけでなく地方都市にも近代化の波が押し寄せた。明治時代とは明らかに異なる消費革命は、人々の日常生活と意識をどう変えたのか。本書は、著者の膨大な"紙モノ"コレクションを基に、電化と都市化が急速に進んだ大正・昭和初期の日本の光景を振り返る。

電気照明と家電製品の浸透、関東大震災を契機としたラジオ放送の急速な普及、カフェー文化、モダン・ガール、美装員、"キス・ガール"、盛んに開催された博覧会、定期観光バス(はとバス)、郊外旅行、宝塚、新温泉リゾート、ヤマトホテル、自転車(昭和初期に爆発的に普及)、流線型デザイン、等々。モダニズム文化が浸透しはじめた時代の気分を味わえた。
なるほど、絵葉書、パンフレット、企業チラシなどは貴重な資料だ。

帝都・東京と大阪の記述が中心だが、個人的に神戸のオリエンタル・ホテルと六甲山の記述が嬉しかった。

モダニズムのニッポン
著者:橋爪紳也、角川書店・2006年6月発行
2012年2月5日読了