浮世絵を想わせる平面的かつシンプルな色づかいにより、イギリス美術界に新風をもたらしたウォルター・クレイン。本書は、知人の庭園を散策しながらシェイクスピア劇にイマジネーションを重ねて創作した、1906年に発行された作品集の復刻版だ。

擬人化された花々。"Winter's Tale 冬物語" 魅惑のカーネーション(p16)や、"Henry Ⅳ ヘンリー四世" ブラックベリー(p38)も好みだが、個人的には、イングリッシュ・ガーデンに鎮座するシェイクスピアの胸像に「ことばのブーケ」を捧げる美貌のワーウィック公爵夫人を描いた中扉の絵(p1)が最も気に入った。
 
近世イギリス戯曲と花園のコラボ。世紀を超えて現代の鑑賞にも耐える本物の芸術を、手元で気軽に味わえる喜びの一冊だと思う。
欲を言えば、ぜひ、当時の用紙と石版印刷技術まで複製したものを手にしたいな。

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Flowers from Shakespear's Garden 1906
シェイクスピアの花園
著者:Walter Crane(画)、マール社・2006年11月発行
2012年7月3日読了