25年前の避暑地の日々と、それ以降につらなる人生の重み。
永遠子と貴子。再会した幼馴染の異なる時間に、大切な人々のおもかげがある。

老母の髪をとかして胸を痛める描写(p64)や、死者を記憶から解放することのくだり(p118)が良いな。

さすが芥川賞受賞作。美しい言葉の流れ入る読書を楽しめた。

きことわ
著者:朝吹真理子、新潮社・2011年1月発行
2014年12月6日読了

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