僕の初の海外体験は1993年の韓国出張でした。これで海外の魅力に開眼し、はじめての海外旅行先にニューヨークを選び、一人で行ってきたのが懐かしいです。
1994年9月だから、まだテロに遭い倒壊する前の世界貿易センタービルは健在で、屋上にも上ってきました。
過去のホームページ(1999年頃)に掲載した旅行記を公開します。文章がとっても変ですが、そこは御愛嬌です。


[旅の恥は書き捨て]

壱.New Yorkの巻


何かに”BIG CHALLENGE!”したくなるような、極めてエネルギッシュな街です。まだ一度も訪れていないならば、ぜひ飛んでください。できれば、航空券のみ手配して、後はその日の気分でブラつく(IT'S DAYDREAM TRIP!)のが良いでしょう。
以下、自分の感想など参考までに。

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■The Metropolitan Museum of Art メトロポリタン美術館
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芸術にはトンと疎くても、まずはここへ足を運ぶ、と。New Yorkの定番。

巨大なCentral Parkのすぐそばにあるため、ジョギング中のオネーサンなんかが階段に座っていたりする。(思いがけず嬉しかったりする)
神戸市立博物館とは比べものにならない展示量。ゆったりとしたスペース
古今東西の武具も豊富。我国の戦国時代の甲冑は、欧米の子供に大人気。西洋の甲冑は特に豊富。じっくり鑑賞できた。
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美術品と言えば油絵。それこそ全作品の鑑賞は不可能ですが、見応えありました。やはり西洋ものでは、キリストの生誕を題材とした宗教画が圧倒的。
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「ソクラテスの死」
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インドの神「Krishna」

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ところ変われば品変わる。なるほどと思った。タイ、中国、インドネシア。東洋諸国のBuddha像は、基本的に同じ。だけど体格と装飾はみな違っていた。やはり”民族柄”が表れるのか? ビルマの王冠付きのbuddhaなんて初めて見た。

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アフリカ、中南米の神々なんて、初めてお目にかかったゾ。

太平洋諸国の文化は、我々のとはイササカ異なるようで。神像でも人像でも、異様にアレが強調されていた。参考までに、南太平洋の船(CROCODILE)などを。

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「NO FLASH」の貼紙を無視してバシバシフラッシュをたくのは、ご存じ我らが同胞。Don't FLASH! 案内の職員がとがめても、「エイゴ、ワカンナ~イ」ってか? 日本語で大きな声でキャーキャー笑うのもヤメテくれ。
う~ん。こうやって日本人の評価は悪くなるばかり、と。
あと、大和撫子3~4人のグループで、全員ジーンズにポロシャツ、バックパックの姿はヤメテくれ。横一列で歩くな~。
(注:2018年の時点だと、中国人観光客の姿ですね。)


ちょうど昼食時。MUSEUAM正面玄関前の階段から車道までの一帯を人間が群れていて、屋台が20mおき位に並んでいた。ホットドッグもハンバーガもあったが、せっかくだから別のものを食べようと。みると、オジサンや子供たちが美味そうに食べている。あれはなんぞや?
プレッツェルなるものを初めて口にしたが、一口で「もう、たくさんです」な味だった(泣)。


■Statue of Liberty 自由の女神

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やはり、NEW YORKと言えばここでしょう。USAの「顔」ですから。

女神像の鎮座する”Liberty Is.”へはフェリーで渡ります。約12分。景色が極めてグー!

女神像の中を上へ。”どうせなら冠までイケイケ”コースと、”時間が惜しいが、とりあえずは中へ”コースとがあります。前者は冠まで歩き、後者は像の台座(つまり女神の足下)の展示館巡りとなります。どうせなら、時間を裂いてもSUMMITへ!

長~いらせん階段が待ってます。最初は順調、やがて渋滞に巻き込まれます。
一方通行です ^^; 。しかも途中で急に細くなる! さらに頭が上の階段でこすれる! 体の大きなアメリカ人が、なぜこんな小さな階段にしたのか、いまもってわかりません。
それでもはりぼての中を歩くのは、なかなか楽しかったりします。
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5分の間に5m進む、長~い苦痛が報われる時がきます。やっと冠(展望台)です。

おい! 何でこんなに狭いんだ? 展望台は畳1枚分の広さです。とにかく、下界を見下ろしませう。年代物の窓枠がグーです。

下り階段は順調です。台座には女神像の歴史、アメリカ移民の歴史を展示したAmerican Museum of Immigration アメリカ移民博物館があります。せっかくです。ぜひ一巡を。

Liberty Is.からEllis Is.へはフェリーで約15分。ここにはEllis Island Immigration Museumがあり、この島が移民の受け入れ口だった頃の資料が建物ごと展示されています。
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中には各州の人口の推移、世界各地からの移民の歴史、あなたの祖先は?コーナーなどがあり、外には移民者の氏名の刻まれたプレートが光っています。我々日本人にはなじみが薄いものの、熱心に解説を読み、祖先探し(computerが置いてある)を家族でワイワイやっているアメリカ人を見る。嗚呼、歴史とは? 民族とは? なんて考えたりします。


■Manhattan walk


World Trade Center Building(Manhattanで最も高層の建造物)の売り物、屋上の展望台にはぜひ上りましょう。またしても行列を待つものの、専用エレベータで一気に最上階へ。さらにエスカレータで屋上へ。
ここから眼下を見下ろせば、この島を一望できます。意外に島の小さいことに気づいたり、アッパータウンの高層建築物の群れと、チャイナタウン、ソーホーあたりの違いなどがわかります。
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World Trade Center Buildingの2階には、TKTSがあります。ミュージカルの当日券がここで安く購入できます(約半額。cashのみ)。ただ、良い座席は期待できません。

小学校ではいろんな人種の子供たちが仲良く遊んでいました。

よく、NEW YORKの地下鉄は汚く、危ないと言われてきたが、実際に乗ってみるとそうでもなかったりする。各地下ホームには監視員らしき人物がいて、一定のエリアを見張っている。つまり、そこにいれば一応は安心と。これではオモシロクないので監視エリア外のホームの端まで行った。危険なし、と。おまけにホームも清潔。車両も、階段も ”beautiful”。
もしかして、悪い面が誇張されてきたのでは?

そう思いきや、甘かった。上記はあくまでアッパータウンでの話。China townの地下ホームは別世界。空き缶ゴロゴロ、ゴミうじゃうじゃ。しかも落書き天国ときた。この世に清掃人はいないってか? おまけに照明はうす暗く、不安になったりする。まあ、無事だったが。

地下鉄と言えば、こんなことも。南へ下る車両の中へ、大きな声を出す男が乗り込んできた。手にビラを持ち、胸のゼッケン(?)には”STOP the AIDS”。乗客一人一人に箱をさし回しながら寄付を募り歩く黒人。コインを入れる老婦人、無視する白人エリート風ビジネスマン。こんな光景、日本ではお目にかかれませんよね?

China townでは、ベトナム独特の三角帽を頭に乗せた人が多かった。もしかして、元難民? 一人、その帽子を被った異常に背の低い男を見た。戦争時、薬でやられた後遺症かも。それなら、自分をこんな目に遭わせた”敵”の国民となって暮らすのは、無情としか言いようがない。

UN本部ビルの前では、3人のグループがUN反対のデモをやっていた。警官はウヨウヨいたが、別に排除するそぶりも無かった。
米軍のハイチ侵攻の翌日、broadwayでは、米国を非難するビラを配る「個人」を何組も見かけた。<br>
自発的に、まず一人で行動を起こす。ここにAmerican Democracyの力強さを感じた。まず主張し、非難ではなく議論をもって話を詰める。ナァナァではなく、互いに議論しつくした上で、妥協しあう。
なるほど。我々の見習うべき点であり、うらやましく思う。

それにしても、世界各地のあらゆるものが入り混ざり、次々と新しいstyle(文化)が生まれるようです。歩くだけで体が活性化させられます。 本当!


■United Nations
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United Nations本部ビルはManhattan島の東の端、East Riv.に面した位置にあります。
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ちょうど、あの独特なクライスラービルを東へ500mばかり歩けばぶつかります。
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胸を張って進んだ正面GATEでは、武装警官が歓迎してくれました。「あっちだ、あっち!」 はいナ、北側の観光客用GATEから入ります。

個人で見学できる範囲は限られているので、ガイド付きツアーを利用すべき。20分おきに出発しますが、順番を待つこと約10分。15人のpartyで出発。英語ガイドでした。なお、日本語ガイド付きツアーもあると、リーフレットに書いてました。。。

ツアーでは総会議場、安全保障理事会議場、経済社会理事会議場などを見て回り、UNの存在意義などについて職員より説明を受けます。質疑、写真撮影もOK。但し、総会/理事会開催中は、その議場には入れてもらえません。

なお、外交官食堂は平日の昼食に限って一般客も利用可能です(11:30~14:00)。

ここでしか買えず、ここでしか出せない切手が地下のUN中央郵便局(及び土産物売場)で販売されています。これまた専用のハガキに貼り、ぜひ故郷に送りましょう。

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■MUSICAL! AMERICAN DREAM!

マチネ(昼の部)もやってますが、やはり夜でしょう、Musicalは。開幕までの間、欧米人はおおむね着飾ってアルコール片手に歓談してます(離れて見ていても、ゴージャス)。

服装に注意。カジュアルジャケットで非常に浮きました ^_^。(ま、このときは、まわりが年輩の人が多かったもんで) できれば、スーツ又はしっかりとしたジャケットを着用したいですね。

観劇券は、ツアー予約すれば通常2万円(ディナー付)。TKTSでは当日券が3千円~5千円。金がないならTKTS。タイムズスクエアのTKTSは夕刻異常に混むので、都合がつけば前述のWorld Trade Center Building 2階へ。


■MISS SAIGON [THE BROADWAY THEATRE]

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我国でも演っていましたが、いかんせん日本人ではねぇ。その点、こちらは白系、黒系米国人に加え、ベトナム系アメリカ人が出演。限りなく現実に近い劇になっています。
英語なんですが、ポイント的に比較的わかりやすいセリフのせいで、役者の感情がビンビン伝えられます。演出も素晴らしく、感情移入すればしめたもの。必ず泣けます。ハンカチ必携。


[あらすじ・勝手に注釈バージョン]
サイゴンの歓楽街。進駐してきた米国兵は、今日も娼婦と一日を終えます。娼婦仲間で"Miss Saigon"に選ばれたベトナム人少女 Kimは、米国青年Chrisと深い仲に。しかし、Chrisには婚約者=本国で待つEllenがいたのです。
(キム=ベトナム女性。本編の主人公)
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植民地支配を脱した、理想の新ベトナム建国に燃える青年Thuy。幼なじみのKimに言い寄ります。しかし彼女は言うのです。「あなたとは一緒になれないのよ。なぜなら」登場したのはChrisの息子。青年の去りゆく姿が、印象的でした。やがてKimの家で対決する二人の青年 - 国家を巡って、またKimを巡ってお互い譲れません。そしてベトナム人は、Kimの前から姿を消します。

後日、ベトナム軍将校としてThuyは現れます。自信に満ちた表情。軍服には多くの勲章。Kimに再度言い寄ります。長い問答の末、愛憎から子供を殺そうとする青年を、彼女は撃ちます。命を落とすシーンの青年将校の表情-これは実際に劇場で確かめて下さい。
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敗北必至の米国軍。有名なヘリコプターのシーン。超大国がアジアの小国、いや、ゲリラに敗れた-救いを求めて基地に詰め寄る群衆。彼らを見捨てて、米国は去ります。この国に大きな傷跡を残して。
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もう一つの大きな傷跡 - 米国に渡ったKim。彼女は、Chrisに婚約者(アメリカ人)がいることを初めて知ります。

彼女は悩みます。そして息子を前に、彼女はこう歌うのです。

AS LONG AS YOU CAN HAVE YOUR CHANCE
I SWEAR I'LL GIVE MY LIFE FOR YOU
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最後の瞬間がきました。Chrisと彼の妻に手を引かれ、Kimの元を離れる「わが息子」。そして彼女の選んだ道は……。
巷(ちまた)で論議の沸騰したKimの生きかた……。
ぜひ、劇場で確かめて下さい。彼女たちの人生を。そして、あなたの人生を。


(PS1)
Chrisの元上官の黒人兵(下士官?)は人権活動家に転じます。彼は訴えます。いま、ベトナムで難民となった子供たちを救えるのは、われわれ米国をおいて他にない、と。この時機、米国はいまだ黒人差別の渦中にあったにもかかわらず、勇敢に、です。
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(PS2)
共産色バリバリのベトナム。巨大なホー・チ・ミンの黄金像。指導者崇拝のデカ・ダンス。まるで北朝鮮を彷彿させる、異様な世界観。でも、55年前の日本を外から見たら、きっと同じように映ったに違いない。
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■LES MISERABLES 嗚呼、無情 [IMPERIAL THEATRE]

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ビクトル・ユゴーの大作。1830年の重々しい労役シーンから始まります。
貴族、民衆、それぞれの目標。それぞれの恋。それぞれの人生。コミカルなシーンも交え、大きなスケールで話が進みます。

圧巻は二つ。一つは戦闘シーンです。蜂起した民衆と貴族軍との間で戦われますが、やがて力つきた民衆は全滅します。子供の死にゆくさまが悲しいシーンです。
もう一つ。ジャン・バルジャンに命を救われた貴族。自分たちの社会と彼ら(民衆)の社会。彼は悩みます。解決策として彼が選んだ行動は、非常に哲学的なものでした。

「あっ」と思った演出。垂れ幕に映し出されたキャプションが印象的でした。「第1章  AD1830」等

すみません。セリフがよくわからず、詳しく書けないのです ^^;。(語学力の無さが悔やまれる)


■CRAZY FOR YOU [SHUBERT THEATRE]

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前2作とはうって変わり、肩の力を抜いて楽しめる上品なコメディです。都会で成功を夢見るも田舎に帰ってきた青年と、農業に明け暮れるPOWERFULな娘さん。田舎の陽気な”アメリカン・ライフ”。青年は、ある企画を村のみんなに提案します。そして成功-こんな物語です。
重ねてすみません。セリフが…… ^^;。でも、爆笑シーンは楽しめました。

(見た本数は少ないけど)個人的には、Miss Saigonがベストでした。もう一度見たいですねぇ。


(PS3)
夜の街とロシア人女性
「時間がない」 あわててタクシーに乗り込んだら、極上の美人が閉じかけのドアをこじ開けた。「ブロードウェイ?」「そうだけど」ニッコリされたから、こちらも笑顔を返すしかない。「乗り合いタクシーでも、まぁ、いいか」
金髪・青い目・白い肌。良いですね~。
「どこからきたの?」「日本から。きみは?」「ロシアよ」流暢な相手の英語に、カタコトでぎこちなく会話を続けた。……が。
「そこで止めて」あれ?「ありがとう」バタン
「男は利用されっぱなし。ここはああいうのが多いよ。
 New York is New York, ha ha ha ha!」
同じような光景を何度も見てきたんだろうなぁ、タクシーの運転手氏。

夜、ホテルからブロードウェイ劇場へ向かうまでの出来事。ちなみに、ここのタクシーは高額紙幣を渡すと「いま、ちょうどツリがない」とか何とか言ってボラレます。予め1ドル札を多数用意のこと!
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長文ご拝読、ありがとうございました!



昔の拙い文章は赤面ものですね。どうもありがとうございました。