男ひとり旅の美学

[旅の恥は書き捨て]ってことで。あと、BMWと読書感想文も。

カテゴリ: 旅行・地域

2018年9月17日(月)晴

■旧開智学校校舎

5時50分起床。朝食バイキングは和食テイストに。
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8時50分チェックアウト。良い宿でした。荷物を預けて観光に出発。
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市内周遊バス「タウンスニーカー」に乗車し、重要文化財・旧開智学校校舎へ9時15分に到着。
明治6年開校か。
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明治期の洋風建築。
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明治~昭和の教育現場を再現した内部は興味深いものがあった。
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■旧松本高等学校……。
交通手段に乏しい観光地なので、近くの営業所でタクシーを呼んでもらった。
1,500円かけて旧松本高等学校へ。
え? 臨時休館? 台風21号の影響で破損? そんなぁ……。
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しかたがないので歩きます。

■松本市美術館

10時45分、松本市美術館へ到着。インパクトあるなぁ。
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全館、草間彌生の水玉がアイデンティティとなっている。
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常設展示、洋画家・田村一男の作品などを観る。ふむふむ。

『弁天本店』が良かった。
観光客にまとわりつき「小銭」をねだるガキたち。
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お気に入り
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こんなのもあるんだな。アルファベットが斬新。
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十辺舎一九
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■中町通りを歩く。
松本民芸家具・中央民芸ショールームが良かった(写真忘れた)。
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中の橋を渡って繩手通りへ。絵になるな。
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昼食は明治10年創業の蕎麦処「弁天本店」で。レトロな雰囲気バツグンの店だ。
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ホテルに戻り、荷物を受け取る。タクシーを呼んでもらってJR松本駅へ。
お土産をたくさん買ってしまった。

ワイドビューしなの16号がやってきた。復路もグリーン車だ。
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17時過ぎに名古屋駅へ到着。のぞみ117号に乗車し、ビールを飲みつつ、新神戸経由西明石へ。

これで初秋の上高地・松本旅行は終わりです。
最後まで拙文にお付き合いくださり、ありがとうございました。


2018年9月16日(日)曇り

■上高地散策その2

朝は5時20分に目が覚め、穂高連峰の日の出を垣間見ることができた。
6時~もったいないので歩く。すがすがしい空気。天候は回復するも厚い雲が山頂を隠している。
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朝食は和洋のバイキング。まぁまぁか。
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で、部屋に戻ると、おもいがけないデザートが待っていたのだ。
穂高連峰の稜線! 素晴らしい窓からの眺望に歓喜!
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9時40分にチェックアウトしてバスターミナルへ向かいます。上高地ホテル白樺荘、良いところでした。
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河童橋からの眺めも見納めです。雨だった昨日と違い、河童橋は人で大渋滞。
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■松本へ
10時40分に上高地バスターミナル4番乗り場を出発。昨日のうちに整理券を入手していたので、スムーズに乗車できた。
11時45分、新島々駅へ到着。
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待ち時間の間、頭に布(?)をかぶせた東南アジア系の女性と会話。マレーシア出身で、登山用リュックにピッケルなどの本格装備を持参した女性3人組。日本へ来てくれてありがとう。僕もマレーシアへ行ったことがあるんですよ。もう20年も昔ですが。

やぁ、上高地線電車の復路は「なぎさトレイン」なんだな。
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12時7分、新島々駅を出発し、12時36分に松本駅へ到着した。

昼食は駅ナカの有名蕎麦屋をチョイス。15分も待ったが、海老2匹入りの美味しい天ぷら付きざるそばを堪能することができた。1,900円なり。
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で、晴れたのは良いが、暑い。外気温27℃か。

市内を周遊するバス「タウンスニーカー」に乗ったは良いものの、渋滞に巻き込まれ、なかなか進まない。ここはタクシーをチョイスするべきだった。
丸の内で降車し、少し歩いて14時50分に「松本ホテル花月」にチェックインした。

ここは松本民芸家具を贅沢ふんだんに使用したインテリアが
特徴で、雰囲気バツグンの良ホテルだった。部屋をグレードアップしたらよかったかなぁ。
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ホテルで松本城のチケットを購入。団体割引料金でお得。

■国宝・松本城!

「松本ホテル花月」から歩くこと10分。中世・戦国時代から現存し、築城400年を誇る国宝・松本城へ到着。本日の観光のハイライトだ。
ワールド・ビール・フェスティバルなる催しが開催されているせいか、すごい人の出だ。
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で、天守閣へ向かうと……待ち時間40分? 時刻はすでに15時30分。見学は17時終了。どうしようか……。
とりあえず並ぶと、心配をよそにどんどん列は進む。スタッフによる松本城クイズも楽しく、待ち時間は長く感じられなかった。
16時には天守閣へ入場できた。
靴を脱ぎ、ビニール袋に入れて持ち歩く。

内部は黒塗りの太い柱が並び、圧倒される。
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内部の展示も充実している。
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5階、6階への階段は狭くて急で……これはお年寄りにはキツイだろうな。
5層6階、天守閣最上階から城下を眺める。
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天井の構成はこんな感じ。
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階段が急でも人が多すぎても、この天守閣は値打ちがあった!
このアングルからの情景が気に入った。
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虹なんて観るのは19年ぶりだ。
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時刻は16時50分。本日の観光はこれで終わり。ホテルへ戻ります。


■I;cazaで夕食
「松本ホテル花月」のステンドグラスを超えた1階にそのレストランは存在する。
創作フレンチは芸術、その極みを目指す逸品がここにある。

秋の散歩道、大地からの贈り物、煙に巻いて巻かれて、ナベとハンマー、御吉兆! 海の「底」から、大地と海のアンサンブル、ひまつぶし、食後はユートピア! 最後は葉っぱで。
……これ、すべてメニュー名なんです。

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サーブのタイミングも良く、スタッフはフレンドリー。何より美味でした。
信州ワインも上品な味わい。満足。
ここは大浴場も広く、ゆっくりできた。
ほろ酔い気分で続きます。


三連休を利用してのコンパクトな旅行。上高地は雨だったが、清浄な空気と水に触れ、3,000m級の穂高連峰の眺望を堪能できた。いにしえの黒い城郭・松本城と昭和のモダン建築の姿も愉しめた。

【参考データ】
交通
2018/9/15土
 新幹線ひかり460号 西明石8:24(8:20)発~名古屋9:40(9:34)着
 特急ワイドビューしなの7号 名古屋10:07(10:00)発~松本12:08(12:04)着
 アルピコ交通上高地線電車 松本12:45発~新島々13:15着
 アルピコ交通上高地線バス 新島々13:30発~上高地14:36着
2018/9/16日
 アルピコ交通上高地線バス 上高地10:40発~新島々11:45着
 アルピコ交通上高地線電車 新島々12:07発~松本12:36着
2018/9/17月
 特急ワイドビューしなの16号 松本14:53発~名古屋17:01着
 新幹線のぞみ117号 名古屋17:33発~新神戸18:37着
 新幹線こだま757号 新神戸18:41発~西明石18:50着

宿泊先
 2018/9/15土 上高地ホテル白樺荘(1泊)
 2018/9/16日 松本ホテル花月(1泊)


■久しぶりの信州は雨じゃないか

2018年9月15日(土)

名古屋までのひかり号(N700系車両)はグリーン車を選択した。出発が少し遅れたが、快適なので問題ない。
名古屋で駅弁を購い、特急しなの7号に乗り込む。実はこちらのグリーン車のほうが広くて快適だったりする。
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12時8分に松本駅へ到着。残念なことに雨が降っている。
松本バスターミナルは駅から少し離れている。この辺は、アーケードを拡充するなどの配慮が欲しいな。
で、当初計画の「長距離バス、中の湯で路線バス乗継で上高地着」の切符を相談したら、アルピコ交通の係員さんは親切に「上高地線=鉄道+直通バス」のことを教えてくれた。こちらの方が楽で早いとわかり、その場で現金払いで買うことに。大人一人往復4,550円。たぶん、リーズナブルなのだろう……。

12時45分に松本駅7番ホームを出発したアルピコ交通上高地線電車は、十数個の田舎っぽい駅を経由し、13時15分に新島々駅へ到着した。
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上高地線イメージキャラクター「渕東(えんどう)なぎさ」がお出迎え。
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ここで乗り換え。13時30分に新島々を発車したバスは、稲核ダム等を経由し、14時28分に大正池に到着。もし晴天だったら、ここから河童橋まで1時間強の道のりを歩いていたかもしれない。
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14時36分に上高地バスステーションに到着した。トイレはチップ式か。ホテルまで我慢だ。
バスステーションから歩くこと10分、河童橋がみえてきた。ここはかるく眺めて、奥に見えるホテルへ入る。
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15時15分、今夜お世話になる「上高地ホテル白樺荘」にチェックイン。河童橋を渡り切ったところに位置し、ロケーションは最高(のはず)だ。
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公式HPから「穂高連峰独占のリニューアルツインルーム」を予約したのだ。穂高連峰が良く見える。これで天気が良ければ……。(この思いは明朝、叶えられることになる!)DSC01658
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■上高地散策その1

1時間ばかり休憩の後、田代橋へ向かって歩くことにした。1時間強の散歩コースだ。ホテルで大きな傘を拝借、と。

梓川の流水の綺麗なこと! 空気まで美味い!
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台風の影響か、倒木が多いな。

ウエストン碑って、これだけか……。
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折り返し地点の田代橋だ。
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自然の良さがよくわかる。
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河童橋が見えてきた。
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17時40分にホテルへ戻る。

夕食はこの手のホテルで多い和風フレンチ。
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特筆すべきは肉料理。湯葉でつつんだ信州牛(?)のフィレは最高の舌触りだった。これを食すために、もう一度訪問しても良いくらい!
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上高地ビール、赤ワインも美味だった。

おいしい料理に舌鼓を打ち、続きます。
(大浴場は洗い場が狭く、いま一つだった。)


1920年代の服飾が気になり、六甲アイランドへ出向いてきた。
(2017年2月18日)

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神戸開港1868年1月1日から1990年代までのモードの変遷が一望できる展示。洋菓子、木工、清酒、コーヒー、アパレルなどの地場産業の紹介も。
個人的には、1920~1930のものとされるライトブラウン・シルクの「ワンピースドレス」が気に入った。
ビデオ展示では、まさか昭和5年の神戸港大観艦式(潜水艦を含む艦艇160隻、航空機70機)の映像を見ることができるとは思わなかった。

神戸ファッション美術館
http://www.fashionmuseum.or.jp/
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併せて、小磯記念美術館で開催中の特別展『パリに生きる パリを描く』も観てきた。

お気に入りを何点か。

■梅原龍三郎「Paris Landscape 巴里風景」(1965年)
大胆な筆のタッチに街の活気が漲るよう。

■大橋了介「In Paris パリにて」(1929年)
灰色の空から、おそらく冬の午前中の裏路地を描いたと思われる。路地右手を行くは花売り車だろうか。
街の色彩の豊かさが心地良い。

■里見勝蔵「Cafe In Nesles-la-Vallee ネル・ラ・ヴァレのキャフェ」(1924年)
手前左の赤いカフェのみならず、低い空の存在感が特筆される。

■荻須高徳「"Aveille", Montmattre モンマルトル”アベーユ”」(1973年)
もう一度、あの高台に行きたくなる。

神戸市立小磯記念美術館
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/koisogallery/

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芸術に触れるのは小さな非日常。空間とともに楽しむのが吉だな。

「ラ・ジャポネーズ」を観にいつかはボストンへ……と思っていたが、修復直後の本作が日本で公開されることに歓喜し、晩秋の京都へ出向いてきた。(2014年11月29日)

平安神宮は紅葉を背景に、修学旅行生と外国人観光客が彩を益し、良い雰囲気だった。

全148作品のうち、お気に入りを何点か。
■歌川国貞、歌川広重
「当盛十花撰 夏菊(二代目沢村訥升、初代沢村由次郎)」(1858年)
正面の表情豊かな役者の姿もさることながら、背景の大菊の咲き乱れる描写がすごい。
これぞ、浮世絵の面白さ。

■クロード・モネ
「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」(1876年)
真っ赤な打掛が衝撃的だ。その中央下部に配置された武将がいま、まさに刀を抜こうとする。
書籍のカラー写真ではわからなかったが、その青い武将の表情が生きているのだ。
カミーユ・モネ夫人、その主役を喰う存在。
グイと前に飛び出しそうな凄み。僕は目を奪われた。

■三代歌川広重
「『百猫画布』より9図」(1878年)
はがき大のメモ用紙に習作として描いた、そんな猫だらけの作品。
地味で他の展示に埋もれていたが、僕はこれが気に入った。
屋根で戯れる猫たち、人家でいたずらに興じる数匹、人の手にじゃれるかわいい猫。
その所作は人と異なる。
なるほど、猫を描くのは難しいね。(SHIROBAKO 7話)

■ルイス・ティファニー
「”松葉文”写真立て」
金細工の模様が良いです。
ニューヨーク、パリの感性と日本的情緒が邂逅すると、なるほど、写真立てもこうなるのか。

「ラ・ジャポネーズ」を見られただけでも満足だ。

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美
京都市美術館(~11月30日まで)
名古屋ボストン美術館(2015年1月2日~5月10日)
http://www.boston-japonisme.jp/

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職場から近い(二駅)のでいつでも行けると思っていたら、もう会期末。混雑する前に出向いてきた。(2013年5月27日)

お気に入りの作品を何点か。

『The Music Lesson 音楽の稽古』1662-65年
一番のお気に入り。
壁面の汚れ具合から、オランダ・デルフトの豪商の年季の入った屋敷での光景か。
鍵盤楽器ヴァージナルの練習に余念がない少女の後ろ姿。楽器手前の鏡に映る表情には、先生への"仄かな想い"が垣間見える。これが本作の主題だな。

革張り椅子のブルーとスカートの鮮やかな赤色。ヴァージナルのくすんだ金箔色がそれらを引き立て、前景のタピストリーが"重し"なり、画を安定させている。
印象的な市松模様の床がフェルメールの二点透視画法を際だたせる構図だ。

本画はバッキンガム宮殿で女王の不在となる夏期のみに入室・鑑賞できるらしい。夏のロンドンはAIRもHOTELも劇高だが、是非観たいな。
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『Lady Standing at a Virginal ヴァージナルの前に立つ女』1673-75年
窓から差し入る日光に背を向け、楽器でポーズを取る女。カメラ目線じゃないか。
本作では、壁の床に接した部位に貼られたタイルが気になった。二十数枚すべてが異なるデザインだ。狩猟、魚採り、荷役など労働者の姿百景? 当時の流行だろうか。

また、ヴァージナルって近世オランダ女子の教養だったのかな?
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『The Astronomer 天文学者』1668年
良いのだが、これは本物をルーヴル宮で鑑賞したいな。

『The Lacemaker レースを編む女』1669-70年
これもルーヴル収蔵の傑作品。
申し訳ないが、複製だと"デフォルメ"と"焦点"の技法が活かされていないような気がする。

『Soldier and Laughing Girl 兵士と笑う女』1658年
全体にくすんだ色彩でブルーなし。兵士の赤い衣服が鮮やかなアクセントだ。
丁寧に書き込まれた大判の地図が本作の主役のようだ。
本作はフリック・コレクションの門外不出の作品だそうで、ニューヨーク旅行時に観に行くようにしたい。
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リ・クリエイト。要は複製だが、オリジナル本来の色彩の再現を試み、欧州と北米に散らばるフェルメールの全作品37点を一堂に集めたのは画期的だろう。
額装を含めて一望できたのはありがたい。
でも、この内容で1,000円+音声ガイド500円は高い。
あと、本展の総合監修者・大学教授の等身大パネルなんていらないから!

フェルメール 光の王国展
2013年6月2日まで
神戸 ハーバーランドセンタービル
http://www8.kobe-np.co.jp/blog/vermeer/

従来のミュシャ作品展と趣向を変え、今回は「ミュシャその人の思考」に主眼を置いた展覧会らしく、数年先まで関西で開催されないこともあり、神戸から東京まで出向いてきた。(2013年5月28日)

うん、六本木ヒルズ・森タワーは壮観だ。
チケット売り場、52階へのエレベータ前、展覧会入口の3箇所で待つこと実に60分。開場後30分でこの混雑か。

■パリでの衝撃デビュー
下積み絵師の時代から一転、サラ・ベルナールのポスタ-を手がけての鮮烈な跳躍。いま見ても華やかな装飾と人物像のデフォルメ術は新鮮だし、広告デザインの先駆者といわれる所以か。

やはり有名どころは華がある。以前は『GISMONDA ジスモンダ』(1894年)が好みだったが、この日は『LA DAME AUX CAMELIAS 椿姫』(1896年)に魅せられた。額装ポスターを土産に買ってしまったぞ。
鑑賞のたびに発見する悦び!
もちろん『SALON DES CENT, Juin 1897』も好きだ。

■パリでの華やかな活躍の時代
舞台広告、商品パッケージとポスターのデザインを次々と手がける一方で、出身地チェコスロバキアへの想いは水面下で募る。
1900年パリ万博の広告『オーストリア館』は良い構造だが、シンボルの女性の表情は暗く、喜びは見られない。あからさまなオーストリア=ハンガリー帝国批判。よくこんなの政府が許したな。

■『百合の聖母』(1905年)
チェコ民族衣装をまとう少女が佇む。半ばあきらめの表情か、そのすまし顔を見下ろすマリアの存在には気付かない。ミュシャの想い。その決意の萌芽。

以降、成功を捨てて渡米し、チェコ独立を目指して数々の絵画作品を手がけるミュシャ。超大作『スラブ叙事詩』の展示こそなかったが、スラブ色・チェコ色満載の作品が多く展示されていた。
『モラヴィア教師合唱団』(1911年)が良い。構図といい、女性の表情とポーズといい、赤の使い方といい、実に気に入った。ミュシャ展ショップで本物のリソグラフが販売されていた。お値段は四百万円。……また来ます(笑)。

実に良かった。
展覧会はこれから新潟、松山、仙台、札幌を巡回するらしいので、機会があればまた行ってみたい。
関西にも来て欲しいなぁ。

ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展 パリの夢 モラヴィアの祈り
2013年5月19日まで開催
森アーツセンターギャラリー
http://www.ntv.co.jp/mucha/

江戸東京博物館で開催され、とうとう見に行けず終いだったのだが、大阪で開催されていることを知り、大坂城まで足を延ばした。(2012年6月29日)

外観は巨大なオフィスビルのようだ。NHK大阪放送会館と隣接していることもあり、博物館らしくない。
金曜は夜8時まで開館。とてもありがたいのだが、チケットブースで驚いた。受付事務員は6人もいて、みんなヒマそうだ。さすがは大阪市の施設だと感心した。

■直通エレベータで6階展示室へ。入場してすぐ、tower 塔の起こりと意味を解説するプロローグエリアが現れる。

西洋での原型はなんといってもバベルの塔だが、その源流はメソポタミアの"ジックラット"にあるという。ピラミッドにも通ずる方形かつ段状の、煉瓦造りの巨大建造物。イランのウルに再建されたらしいから、いつか現物を見に行きたいな。

東洋ではヒンドゥーの"ストゥーパ"、すなわち、釈迦の遺骨を納めた逆さお椀状の墓が"卒塔婆"となり、中国や日本に渡って多層塔となる。薬師寺の伏鉢(大きい!)や、1910年にロンドンで開催された日英博覧会展示品(薬師寺の縮小模型)が展示されていた。なるほど、五重塔なんかも構造は同様か。

■江戸期から明治20年頃まで
愛宕公園と愛宕塔を描いた『東京名所愛宕山公園見晴』が良い。文明開化を満喫する1897年の光景がありありとわかる。世は展望ブーム。公園の高台に設けられた5層の西洋式展望台と中世からの日本の「おやすみ処」が並立し、西洋館の街並みの向こう、沖合には帆船が浮かぶ。
その時代を歩く中流層の風俗が、いま見ると微笑ましい。和服に革靴とパナマ帽、着物に西洋傘を拡げる若い女性連れ、フロックコートに身を包んでステッキを持つカイゼル髭の紳士など、活気が伝わってくる。

『東京築地ホテル館』と『新吉原江戸町壱丁目五盛楼五階之図』も気に入った。

■エッフェル塔
世紀末からベル・エポックへ。
『エッフェル塔のサーチライト』(リソグラフ1889年)が良い。電飾の塔の絶頂(当時の言葉だ)から万国博覧会場を煌々と照らす"電気"は技術の枠を超え、世界帝国フランスとパリの栄華を象徴するに至った。

それにしても、明治22年に私費を投じて洋行し、万博会場に赴いた日本人がいるとは知らなかった。京都日報に連載された久保田米僊氏の『巴里随見録』、読んでみたいな。

■浅草十二階
『浅草公園凌雲閣之図』(大判錦絵1891年)が良い。オリエント・ツアーを催すスペンサー氏が皇居で気球飛行を行い、その余興で浅草公園で飛行ショーを開催したが、凌雲閣はその見物客で満員だったとか。50mの高さを誇りエレベータを有する塔は、現在のスカイツリーのような存在だったんだな。
哀しいかな、煉瓦造りの凌雲閣が八階で折れて燃える写真が遺されている。あらためて、1923年の関東大震災がもたらした甚大な被害を想う。

■東京タワーと通天閣
天王寺の10万坪の敷地で開催された大規模なイベント、第五回内国勧業博覧会。外国人女優ショー、ウオーターシュート、電飾など娯楽要素が満載。当初の産業化啓発目的から性格は変化したが、その技術のもたらした「興味深さ」こそ、日本の産業立国化を後押ししたに違いない。
その延長線上に通天閣が、そして東京タワーがある。

面白かった。
お土産に図録とポストカードを買ってしまった。
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ザ・タワー ~都市と塔のものがたり~
2012年7月16日まで開催
大阪歴史博物館
http://www.mus-his.city.osaka.jp/

昨日の続き。本日はメイン会場を訪問。平日なのに観客の多いこと!(2012年5月31日)

こっちは当たりだった。特に『清盛青春ゾーン』には大河ドラマの撮影で使用された衣裳や小物、松山ケンイチの等身大フィギュアなど、見応え十分。わずか170日で終焉した福原京の復元を試みた3D-CGも良い。

『海の覇者ゾーン』が気に入った。太宰府による大陸貿易に横やりを入れ、瀬戸内航路を開拓するとともに、当時の大国の威信を信用力に銅貨"宋銭"を流通に取り入れて独占したことが、平家の発展の原動力であったことが解説される。その根拠地が"大輪田の泊"か。
いまさらながら、神戸は平家と関わりの深い歴史を有することが理解できたぞ。

それにしても、ホテルニューオータニをはじめ、かつて華やかな賑わいを見せたハーバーサーカスの廃れ具合といったら……。地方都市の定めと言えど、物悲しいモノがあるな。

KOBE de 清盛 2012
http://kobe-de-kiyomori.jp/
2013年1月14日まで開催

「神戸にひろがる平清盛の夢」だそうな。
地元民として看過するわけにいかないので出向いてきた。(2012年5月30日)
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歴史館は、清盛が造築したとされる"経ヶ島"の跡地に設営されている。まず入場者を出迎えるのは、地方官吏視点の神戸史パネルだし、上映アニメの声優は棒読みだし音量はデカイし、正直な第一印象は「金返せ!」、でも会場を奥へ進むにつれて納得する内容だとわかった。

祇園遺跡などで発掘された宋銭、白磁器、青磁器、須恵器こね鉢、播磨産瓦、平安京から移築された故の京都産瓦、等々を楽しめた。

個人的には、大輪田泊から兵庫津、兵庫港から神戸港への発展を表す『神戸の港の歩み』が良かった。古代から中世、近世から近代、現代にかけて人の手が加えられてきたのが神戸港。法隆寺の古文書に"弥奈刀川"と記された、湊川河口を利用した船泊が起源か、なるほど。

ビデオ上映に頼りすぎの感がある。平安末期の時代背景の説明が不足しているように思うし、土産物売り場は半分で良い。3,000円の清盛弁当なんて、わざわざ誰が買うんだ?
展示内容は良いのだから、構成を再考するべきだな。

KOBE de 清盛 2012
http://kobe-de-kiyomori.jp/
2013年1月14日まで開催

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