男ひとり旅の美学

33の国と地域、南極を含む七大陸を踏破! 海外旅行歴28回の「旅の恥は書き捨て」です。愛車BMW M3と読書感想文も。

文化・芸術

はじめての海外ひとり旅はニューヨークを選び、その際に訪れたメトロポリタン美術館(THE MET)の展示の量と質に「圧倒」されたことを、四半世紀を経た今でも憶えている。以降、THE METへは2008年に再訪してから久しいが、そこに身を置いて展示物をみてまわって感じたことは、美術館の使命のひとつ、「世界中の文化のかたちと息吹を後世まで遺す」、その精神に満ち溢れた空間であるということだ。
さて、本誌の特集『巨大なる美と知の殿堂 メトロポリタン美術館のすべて』である。フルカラー61ページに渡って、「芸術が人間を根本から高め、思想の高揚、産業や製造業の進歩、よりよい社会の実現を促す」という信念と、アートディレクター、ミュージシャン、デザイナーらによる膨大な展示物からの「楽しみ方」の紹介、
もちろん、今度は東京・国立新美術館で開催される『メトロポリタン美術館展』の紹介も。実に見ごたえのある特集となっている。
・「古今東西の名作と出合う、珠玉の体験」(p26~)は『デラウェア革を渡るワシントン』や『ダマスカス・ルーム』『フェルメール・コーナー』等、美術館のハイライトをダイナミックな構図の写真とともに紹介してくれる。個人的には『武器と甲冑コーナー』がお勧め(日本の鎧兜には西洋人の子供が鈴なりだった)。
・個人的には「海を渡って異国の地で輝く、日本美術の至宝」(p60~)が興味深かった。
・2022年を彩る企画展の誌上プレビュー(p80~)。行きたいぞ!

なお、2021年11月に大阪市立美術館で開催されたメトロポリタン美術館展にも足を運んだが、これは「西洋絵画の500年」(宗教絵画、ルネッサンス、近代絵画)をフォーカスしたものなので、はっきり言ってTHE METの特徴が活かされていないので残念だった。

芸術に触れるのは小さな非日常。コロナ禍が落ち着いたら、ぜひ本場のTHE METに足を運び、感激を全身で感じていただきたい。
僕ももう一度行くぞ!
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ベル・エポック期にアール・ヌーヴォー・スタイルをつくりあげた代表的なアーティストの一人、アルフォンス・ミュシャ。本展示会は彼がデザインしたポスター、装飾パネル、はがき、切手、紙幣、ビスケット缶などの商品パッケージ、香水瓶ラベル、デザインを学ぶ学生の教本として出版された「装飾資料集」「装飾人物集」など500点の作品によって構成されるとある。
期待を込めて六甲アイランドの中心部、神戸ベイシェラトン・ホテルの隣に位置する神戸ファッション美術館を訪問した(2021.11.24)。
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平日だったから空いている。スムーズに入館できたのは良いが、写真撮影は一点のみOKなので、少し残念。
・やはり「MONACO MONTE-CARLO」が良い。色彩の豊かさと構図がとても好きだ。
・今回はOGATAコレクションから多数出品されていて、商品パッケージ、ポスターなど初めて目にする作品が何点か見られた。これだけでも足を運んだ甲斐があったと思う。図録を買うべきだったか……。
・なお、500点の展示のうちには「装飾資料集」「装飾人物集」の膨大な内容が含まれるので、感覚的には全部で100点程度の展示だと思う。

「GISMONDA」、良いなぁ。
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美は細部に宿る。
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個人的には、神戸を代表するブランド各社の協賛を得て同時開催された「神戸・まちのファッションの現在形」が良かったように思う。ナポレオン一世や乾隆帝が神戸を訪問したら……とのシチュエーションも楽しいし、神戸松蔭女子学院大学、神戸芸術工科大学、神戸ファッション専門学校、神戸文化服装学院の展示も見ごたえがあった。
せめてこっちは写真撮影の許可を出してほしかったなぁ。

今回使用したカメラ機材は次の通り。
・カメラはSONY α7RⅣ
・レンズはSONY SEL50F12GM(F1.2/50mm単焦点)

芸術に触れるのは小さな非日常。また来よう。

神戸ファッション美術館
特別展「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」
ドレスコレクション展「神戸・まちのファッションの現在形」

はじめての海外ひとり旅はニューヨークを選び、その際に訪れたメトロポリタン美術館(MET)の展示の量と質に「圧倒」されたことを、四半世紀を経た今でも憶えている。現在メトロポリタン美術館は改造工事のために休館中のため、150万点を誇る所蔵美術品の中からヨーロッパ絵画に的を絞り、日本初公開46点を含む全65点の展示が実現したそうな。
今回は初日に訪れることができた。
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事前予約制(時間帯指定の前払い)でスムーズに入館できたのは良いが、写真撮影は全面的に禁止とのことで少し残念。
まぁ、宗教絵画、ルネッサンス、近代絵画がバランスよくセレクトされているので良しとしよう。
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今回の展示会でのお気に入りは次の2点だ。
・まずは、かつて本国METで発行された「メトロポリタン美術館ガイド」(日本語版)の表紙を飾った『Mezzetin メズタン』だ。恋に報われることのない使用人が、今日もあの女性を想って楽器を爪弾いて唄う……同じ男として同情しますとも!
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・もう一点の『信仰の寓意』は日本初公開のフェルメール作品の一点となる。解説によると地球儀を踏みつける女性は教会の権威を、蛇の死体は悪意の征服を示すそうな。なんにせよ色彩と構図が気に入った。
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今回使用したカメラ機材は次の通り。
・カメラはSONY α7RⅣ
・レンズはSONY SEL24F14GM(F1.4/24mm単焦点)
軽さは正義です。

芸術に触れるのは小さな非日常。今度はニューヨークのMETへ行こう!

メトロポリタン美術館展-西洋絵画の500年-

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FE 24mm F1.4 GM
ソニー(SONY)



神戸は御影にある白鶴美術館「中国青銅器-円と方の協調美-」展を鑑賞すると、通常非公開の「旧乾邸」に御招待というので、晴天の下、出向いてきた。(2021年10月28日)

もよりの阪急御影駅に到着するも、美術館方面へのバスがない? タクシーで出向くことに……。
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地元の方によると「今日から急に観覧者が増えた。何があるんだろう?」とのこと。それはね、みなさん「旧乾邸」目当てなんですよ。

■白鶴美術館・本館
「中国青銅器-円と方の協調美-」展
ここは建物そのものが美術品といえ、細部に施主と建築家のこだわりが感じられた。
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個人的には渡り廊下と、この階段周りが気に入った。
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1階の展示室、特にその天井は素晴らしい造り(折上格天井)なのだが、撮影は許可されなかった……。
展示物こそ撮影できないが、饕餮夔龍文方卣(とうてつきりゅうもんほうゆう:重要文化財)など、古代中国の貴重な青銅器を鑑賞できたので、良し!

■白鶴美術館・新館
「アナトリア・コーカサスの絨毯 -多様なメダリオン-」展
19世紀~20世紀初頭に制作されたアルメニア、トルコの高級じゅうたんを展示。こういうのも良いな。
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■旧乾邸
白鶴美術館・新館から徒歩3分の場所にその邸宅跡はある。並ぶこと約10分。13時少し前に開門され、僕は9番目に入場できた。
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車寄せ(?)のデザインに圧倒された。
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吹き抜けの応接室には南向きの巨大な窓から日光さんさんと入り、階段、壁面等の意匠、調達品をみるだけで時間がたつのを忘れてしまうほど。いや、本当に素晴らしい!
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2階への階段を上ると、バルコニー状に突き出した部分が目に飛び込む。そしてこの天井! 憎らしい設計だ。
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美は細部に宿る。
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本当、次の公開日が待ち遠しくなるな。
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今回使用したカメラ機材は次の通り。
・カメラはSONY α7C
・レンズは2本。軽さは正義だと実感した。
 SONY SEL14F18GM(F1.8/14mm単焦点)→ほとんどこれ一本で撮影
 SONY SEL40F25G(F2.5/40mm単焦点)
うん、建築物の撮影は超広角レンズに限るな。

芸術に触れるのは小さな非日常。次回もまた来よう。

白鶴美術館
https://www.hakutsuru-museum.org/museum/
旧乾邸
https://www.city.kobe.lg.jp/a44881/kanko/bunka/bunkazai/estate/bunkazai/syokai/kyuuinuitei.html



ベルマージュ堺弐番館の二階に位置する小規模な美術館、堺アルフォンス・ミュシャ館へは1年ぶりの訪問となる。明石から大阪・堺まで出向いてきた。
(2021年10月23日)
1900年パリ万国博覧会をモチーフに、会場をグラン・パレ、プティ・パレに見立て「ミュシャのマルチなアート・ワークをジャンルごとに大公開」とある。期待できそうだ。
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■グラン・パレ
油絵、各種デッサン、作品のための下絵などを展示。1900年パリ万博でのチェコ館のポスターが印象的だ。どちらかと言えばチェコ時代のミュシャの側面強し。
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■プティ・パレ
こちらは実に華やか! リソグラフ・ポスター『椿姫』『ロレンザッチオ』や『四つの宝石』『一日の四つの時』『四芸術』などの連作、サラ・ベルナールのための宝飾品『蛇のブレスレッドと指輪』、著書『装飾資料集』抜粋、等々。彼の手になる彫刻『ラ・ナチュール』もなかなか。

■未来館
世紀末を超えて、1935年頃までの商業ポスターを展示。ジョルジュ・バルビエ、レオナール・フジタ等々。これは良かった。
また、現代の情報技術を活用したミュシャ作品の映像コンテンツが大々的に紹介されていたが、これはいいや。
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『四つの花』
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さりげなく展示された『桜草』も良いな。
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芸術に触れるのは小さな非日常。次回もまた来よう。

マツオヒロミさんの2022年カレンダー。今回はノートにブックケースと、付属品を従来よりシンプルにした分、価格的にも入手しやすくなっています。
カレンダー本体は縦型12枚で、例年にない凝った造りとなっており、美麗イラストを引き立ててくれます。
和装と洋装の混淆したレトロモダンの華やかな香りが部屋全体に拡がる気分。買って正解でした。
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マツオヒロミCALENDAR 2022 ([カレンダー])
マツオヒロミ
実業之日本社
2021-10-01


1851年の第一回ロンドン万国博覧会から1970年大阪万博まで、絵画や写真などの資料を通じて歴史を、その開催意義の変遷を振り返る一冊となっている。
・オランダからの「別段風説書」なる文書を通じて「エケレス国都府」での1851年万国博覧会の開催3か月後には、その様子が江戸幕府に伝えられていたのは驚きだ。鎖国といっても、特にアヘン戦争後は熱心に世界の情報収集に努めていたことがわかる。そして博覧会を通じ、日本は世界へのデビューを飾ることになる。
・19世紀後半~20世紀初頭のパリ、ウィーン、フィラデルフィア、シカゴの各万博への日本政府の力の入れようがありありと伝わってくる。これが欧州にジャポニスムを、アメリカに日本旋風を巻き超すのだから実におもしろい。
・個人的には、1910年にロンドンで開催された民間人主催の「日英博覧会」が興味深い。列強入りを果たし、世界最強国との唯一の軍事同盟を締結した日本にとっては最高の晴れ舞台だっただろう(p48)。
・1871年の京都博覧会で外国人向けに披露された「都踊り」が、現在まで続く春の風物詩になるのか。イラストレイテッド・ロンドン・ニューズ紙に掲載された「都踊り」の図絵はとても興味深い(p51)。
・1895年の第四回内国勧業博覧会では美術館、工芸館などとともに平安神宮が創祀された。これらが文教地区、岡崎につながるのだな。併せて神戸の和田岬に水族館が作られたそうな(p64)。これは見てみたかった。

産業成果物=製品の展示から、文化芸術、そして民族に至るまで、博覧会は多様な姿をみせてきた。今後は都市、地球環境、未来への展望をどう見つめるかが問われているように思う。
2025年の大阪・関西万国博覧会が楽しみになってきたぞ。

博覧会の世紀 1851-1970
著者:橋爪紳也、乃村工藝社、青幻舎・2021年2月発行
2021年6月30日読了
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ジャケットを含めて全文英語表記ですが、日本語版には、久石譲さんの69歳の誕生日に捧げられた前島秀圀さんの詳細な解説書が付きますので、これだけでも価値があろうというもの。単なる映画音楽の技法ではなく、世界観を根底に最初からイメージを組み立てる方法論は、なるほどです。
・『il porco rosso - Madness』がオーケストラとのメリハリが効いて、何といっても素晴らしい仕上がり。オリジナルの「My Lost City」収録バージョンと聞き比べるのも面白い。
・最後を締める曲『Merry-Go-Round』は「FREEDOM : PIANO STORIES 4」に収録された『人生のメリーゴーランド』の変奏曲。原曲よりも艶やかさが目立ち、とても心地良いです。

久石譲さんの魂が込められたCD2枚組。これだけ雅で精緻な楽曲を楽しめてたったの3000円? ありがとうございます!
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Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi
久石 譲
Universal Music
2020-02-21





最終日ということなので、神戸から大阪・堺まで出向いてきた。
(2020年11月8日)
ベルマージュ堺弐番館の二階に位置する小規模な美術館だから、建物に価値は見いだせない。その分、展示物で勝負なのに、写真撮影が許可されないのは日本の美術館の悪しき風潮だな。
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■修業時代
ミュンヘンでの修業時代。ノルマをこなすだけでは上達は見込めない。ミュシャの「一日16時間働いてなんぼ」とのセリフが印象に残った。その成果あって印刷物の挿絵の仕事を得るが、ブレークする前の静かな印象だ。

■パリでの活躍
サラ・ベルナールのポスター「ジスモンダ」を突貫工事で仕上げたことから、派手なパリ・デビューとなる。『椿姫』『メディア』の本物など、アール・ヌーヴォー全盛期の華やかなパリ時代のミュシャ作品最もミュシャらしい作品群が展示されていた。
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■新たなる道へ
1900年パリ万博。ベル・エポック華やかなりし頃の雰囲気を少しはつかめたかな?
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■祖国に帰って
さすがにスラヴ叙事詩は小さなパネルでの解説だけだった。

芸術に触れるのは小さな非日常。次回もまた来たい。
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岡山県は新見美術館へ出向いてきた。(2019/8/24)
お気に入りの作家の展覧会のためなら、片道2.5時間の移動時間もなんてことない。
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「全作品写真撮影O.K.」って、他の美術館も見習ってほしいなぁ。
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お気に入りを何点か。
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アイリーン・アドラーとホームズなんです。
ラフ画等も展示あり。
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全部鑑賞するのに1時間もかからない、小規模な展示会だった。美術館自体が小さいからか。
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本当に、この雅でレトロモダンな感覚がたまりませんっ!
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お土産もいっぱい買ってしまった。

芸術に触れるのは小さな非日常。空間とともに楽しむのが吉だな。

『-胡蝶之夢- マツオヒロミ展』
新見美術館、9月16日まで。

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